フットボール“新語録”BACK NUMBER
バイエルンの冬キャンプに取材敢行!
異次元の組織力を生む秘密の練習法。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byGetty Images
posted2015/01/19 10:50
グアルディオラは自らボールを蹴って練習に参加し、身振り手振りを交えて指導する。また、DFを置かないミニゲームやトーナメント形式のメニューなど、選手を飽きさせないように工夫している。
オンとオフの触れ幅が大きい練習。
ペップは矢のようにパスを出し続けるので、否応なく切り替えは早くなる。大事なのはいかに強度を持続させられるかだ。ペップの「カモン!」、「ブラボー!」、「ズーパー!」と英伊独語を織り交ぜた声が鳴り響き、まさにインテンシティと呼ぶにふさわしいものだった。とにかくオンとオフの静と動の振れ幅が大きい。
これを約3分間やったら、次はステップ2の攻撃練習だ。やはりここでも爆発的な動きの連続が鍵になる。
【セット2:攻撃編】
(1)パスの出し手4人が四角形に立ち、その真ん中に受け手が入る。
(2)パスの出し手の前には遮蔽物(FKの壁に使われるもの)が立てられている。
(3)受け手はステップを踏んでパスコースに顔を出し、ワンタッチで戻す。
(4)受け手はいろんな方向に動いてパスをもらい、あとはその繰り返し。
*実際には無駄を減らすために、2人の選手が同時に真ん中に入ってこれを行なう。
ペップ自身が、緩急と変化を実演して見せる。
ここでのポイントは、(3)の「ステップを踏んでパスコースに顔を出す」タイミングと、そこでの爆発的動きだ。
ペップがモデルとして中に入った時は、ゆっくりとしたステップから急加速してパスコースに顔を出したかと思えば、キュッと走り出すフリをして立ち止まってから加速するなど、変幻自在の動きを見せていた。
「正しいタイミングで動き出せ!」
「動きに変化と緩急を入れろ!」
ある意味、当たり前のことかもしれないが、これまた静と動の振れ幅がとてつもなく大きく、さらにその持続を要求する。