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ユーベのポグバに136億円オファー!
「ジダンを売った男」が語る移籍論。
posted2015/01/22 10:30
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
ユベントスMFポール・ポグバに、1億ユーロ(約136億円)の値がついた。
弱冠21歳ながら、ポグバはスクデット4連覇を狙う王者ユーベの強力なブースター役だ。移籍市場真っ盛りの14日、イタリア紙はこぞって「ポグバ獲りへR・マドリーが本腰」「レアルのペレス会長がメガオファーを用意」「移籍金額は9千万から1億ユーロ」と報じた。
レアルを初め、バイエルンやパリSG、マンチェスターの2強など、いずれも劣らぬ資金力を誇る欧州の強豪クラブが、ポグバ獲得に名乗りを上げているとされる。
一斉報道の引き金となったのは、11日の18節ナポリ戦で決めたスーパーゴールだろう。
前半29分、相手エリア内で高く浮き上がったボールの落ち際を捉えた右足ボレーシュートは、豪快にして緻密な一撃となってゴール右に突き刺さった。目の覚めるような高難度の一撃は、敵地サン・パオロを沈黙させ、3-1の完勝の呼び水となった。
ジダンを売ったお金で最強チームを作ったユーベ。
ポグバのスーパーゴールは、何より移籍市場を強く刺激した。
右と左の違いはあれど、チャンピオンズリーグの'01-'02年大会ファイナルで、R・マドリーのMFジダンが見せた決勝ボレーを彷彿とさせたからだ。レバークーゼンの心を折ったジダンのゴールは、今も欧州中に鮮烈な記憶を残している。
フランス代表のオールラウンダーMFでもあるポグバは、“ジダンの再来”と呼ばれるようになって久しい。となると思い出されるのは、14年前の世紀のトレードだ。
'01年の夏、ユベントスは、当時の世界最高額となる移籍金1500億リラ(約82億円)で、MFジダンをR・マドリーへ放出した。
15の後にゼロが10個も並ぶ、途方もない数字を金庫に納めたユベントスは、その恩恵によって、パルマからGKブッフォンとDFテュラムを、ラツィオからはMFネドベドとFWサラスという一級の選手たちを4人も買い揃え、'00年代中盤の最強チームを作り上げた。