Jリーグ万歳!BACK NUMBER
真の「自分たちのサッカー」とは?
山形が証明し、千葉に欠けたもの。
posted2014/12/11 16:30
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph by
Noriko Nagano
内容だけに言及すれば、実に大味な90分だった。しかしそれが、J1昇格プレーオフ決勝におけるモンテディオ山形の勝因であり、ジェフユナイテッド千葉の敗因だった。
試合後の記者会見で、山形の石崎信弘監督は言った。
「自分たちのやり方は、変える必要がなかった」
指揮官が言う「自分たちのやり方」について、決勝ゴールを挙げたFW山崎雅人は「前からのプレス」、左サイドMFのキム・ボムヨンは「団結力」と話し、それぞれにその「やり方」に基づいた任務を遂行できたことを勝因に挙げた。
右サイドMFの山田拓巳が言う。
「11人全員の守備意識の高さ、全員がひたむきに頑張る。それに関してはものすごいまとまりがあって、1年間ブレることなく戦えたと思います。開幕前から監督が求めていたサッカーが、後半戦になってから徐々に体現できるようになりました。
最初から“スタイル”が見えていたし、それをトレーニングでやり続けてきたことで、全員が90分間ハードワークできるチームになったと思います」
佐藤勇人が解説した、千葉のゲームプラン。
一方当然ながら、千葉の選手たちは「自分たちのサッカー」ができなかったことを悔やんだ。
MF佐藤健太郎は「なかなか自分たちが思うようなプレーができなかった」と語り、DFキム・ヒョヌンも同様に「前半は自分たちのプレーができなかった」と振り返った。MF佐藤勇人は、その部分を深く掘り下げてこう話している。
「早い時間に失点しないために、前半はセーフティーにプレーしなければいけなかった。ある程度我慢して普段とは違う戦い方で、セーフティーにやるべきところはセーフティーにやる。それによって、前半は落ち着かない展開でしたけど、ある程度仕方ないと思っていました。
後半、山形が体力的にキツくなればスペースが空くし、プレスも弱まるのでボールを持てるようになる。ただ、後半は自分たちのペースでチャンスを作りながら決めきれなかった」