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ドラフト指名選手が明治神宮大会に!
プロ入り直前、7人の大学生たち。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2014/11/10 11:00
11月3日に東京六大学リーグで優勝を決め、意気揚々と明治神宮大会に乗り込む明治大学のエース・山崎福也。オリックス1位指名を受けた才能を、プロ入り前に見せつけられるか。
広島1位と中日2位の対決も。
14日の最後の試合、中部学院大対九州産業大は、広島1位の野間(中部学院大)と中日2位の浜田(九州産業大)の対決に注目が絞られる。野間は昨年の明治神宮大会に出場し、走攻守のバランスが取れた好プレーを随所に見せた。
その中でも注目したのは俊足で、関西学院大戦では3回と10回にクリーンヒットを放ち、ともに一塁到達タイムが4.29秒、4.12秒だった。左打者の走り打ちでは珍しくもないタイムだが、きれいに振り抜いてから走って計測したタイムとしては“プロレベル”を越えていると言っていい。
対する左腕の浜田は、ストレートが最速でも140km台前半がせいぜいだが、小さく動くスライダー、チェンジアップ、ツーシーム、スプリットを駆使して打者を翻弄する技巧に持ち味がある。今年の大学選手権では1回戦の広島経済大戦で8回3分の1を投げて無失点、準々決勝の創価大戦では6回、3失点で先発の役目を果たしている。野間の好打と俊足をいかに封じるか、屈指の頭脳戦となることは間違いない。
優勝候補の明治には、オリックス1位の山崎が。
15日は、優勝候補の明治大が登場する。秋のリーグ戦の防御率1位・上原健太(3年)、同5位の柳裕也(2年)はそれぞれ1、2年後のドラフト候補だが、注目したいのはオリックス1位の山崎だ。
この秋は腰痛もあって防御率3.83(リーグ8位)と低迷したが、昨年春は6勝2敗、防御率1.56(2位)でチームを優勝に導く原動力になっている。調子が上がらなくてもチーム最多の9試合、40イニングに登板しているところが他の投手とは違うところで、リーグ戦の悔しさを大舞台で晴らせるか注目したい。
15日の最後の試合、東農大北海道オホーツク対京都産業大戦ではヤクルト2位の風張(東農大北海道オホーツク)が何と言っても楽しみだ。ストレートの速さは岩手・伊保内高時代から評判で、現在の最速は151km。と言っても、私はこれほど速い風張を見たことがない。全国大会のマウンドに立つ風張は見ているが、'11年の大学選手権は3番手で3分の2イニングだけ投げて最速144kmどまり(ほとんど130km台後半)、結果は2四球、1安打で1失点だった。3年になった13年も140km台前半が最速で、評判の150km台はベールに包まれたまま。3度目の正直を期待したい。