女三代フルマラソンに挑むBACK NUMBER
大阪マラソン直前、食べ物&練習は?
「牛乳はスポーツドリンクやん?」
text by
中島彩Aya Nakajima
photograph byAsami Enomoto
posted2014/10/25 10:50
大阪マラソンの大会直前、ジェネレーションギャップは意外なところで飛び出してきました。果たして3人は42.195kmを走りきることが出来るのか。
7時間で走る祖母に、カーボローディングは不要。
祖母の目標は、完走です。7時間の制限時間をしっかり使って42.195kmを走るため、事前にエネルギーをため込んでも、どうしても途中でからっぽになってしまいます。
つまり、どうせ途中でからっぽになることが分かっているならカーボローディング(直前に炭水化物を大量に摂取してエネルギーを蓄える)をしても意味はなく、普段の食事に少し加える程度で十分ということになるわけです。今までも「たくさん食べる必要はないけど、食べないとエネルギー切れになるから、食べてね」と伝えてきたので、糖質の大事さは了解してくれました。ビタミンB1も、お味噌汁や納豆で摂れるため、祖母にとってハードルは高くなかったようです。
続いて、湯沢ハーフマラソンで問題となった“水分補給&カフェイン&トイレ問題”(笑)。
「頻繁にトイレに行くのは避けたい」けれど「水分補給しないと脱水症の可能性がある」という2つの問題がありますが、やはり後者の方が死活問題。
私はほとんどしないですが、祖母世代は「食事中も食後も、急須で緑茶」が必須とのこと。しかし緑茶にはカフェインが入っているため、その必須を今回は控えてもらい、水だけで十分な補給をするというところに落ち着きました。水を小まめに摂りつつ、最近好んで飲むようになったポカリスエットも併用する体制です。
「おなかは緩いくらいがちょうどいいねん!」
ところが、乳製品はなかなか納得してくれませんでした。
なま魚や揚げ物は普段からそんなに食べない祖母ですが、乳製品は祖母の日課で、宅配までしてもらっています。
「便を毎日出すためにも、おなかは緩いくらいがちょうどいいねん」
と断言し、さらには
「骨が折れたら困る。彩ちゃんも飲んどき!」
そんな一朝一夕の補給で骨が折れたり折れなかったりしないのでは……とは思うものの、これこそがジェネレーションギャップ。
戦後貧しい時代に育った祖母にとって、ヨーグルトや牛乳は栄養の源。腸の調子を整える&カルシウムを摂れるならば、マラソンも快調に走れるのでは……という発想なのです。
さらに、祖母の口から出た思わぬ言葉が。
「牛乳は水分補給になるやん? スポーツドリンクみたいなもんやん?」
色んな知識がごちゃまぜになっていました(笑)。
もちろん、「たんぱく質」の摂取のために牛乳は効率的。だけど、水分補給という意味では、水やスポーツドリンクには全く及ばない飲み物なのです。
祖母が心配する「骨」のためにも、乳製品問題は、大会前々日まで摂ってもオッケーとし、前日と当日だけはどうにか控えてもらうことにしました。