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リーグ最強の打線と、最弱の投手陣。
最下位ヤクルトが挑む“下剋上”。 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byHideki Sugiyama

posted2014/07/22 16:30

リーグ最強の打線と、最弱の投手陣。最下位ヤクルトが挑む“下剋上”。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

7月21日時点で日本人打率トップと、リードオフマンとしてヤクルト打線を牽引する山田哲人。投手陣さえ整備されれば、このチームは怖い。

山田、雄平とともに3割をマークする川端の適応能力。

 3割3分4厘、15本塁打、51打点。4年目にして大ブレークを果たした1番の山田哲人に、打者転向5年目で5月の月間MVPに選ばれるなど飛躍を遂げた雄平、今や不動のレギュラーに君臨する川端慎吾が3割越え。セ・リーグの打率ランキング10傑に3人も名を連ねているのはヤクルトだけだ。

 その3人のなかでも、数字では計り知れない安定度を誇るのが、主に3番を担う川端だ。

「彼がいれば(自分への)敬遠が少なくなる」と、後ろを打つ4番のバレンティンから信頼されるほどの打棒を持つ川端は、自分の状態を認識しながら打席に立てる選手である。

 例を挙げれば、今季第1号の本塁打を放った4月23日の広島戦だった。

 長距離ヒッターではないにせよ、中軸を任される打者にとって1カ月近く一発が出なければ不安を抱き、多少なりとも打撃が粗くなるものである。

 だが、川端に焦りはなかった。

 4回の第2打席でバリントンの内角の速球を完璧に捉えた本塁打を、彼は客観的にこう分析していた。

「これまではちょっと丁寧にバッティングをしようと思いすぎていました。この日は、1打席目からインコースを攻められていたんで引っ張ってやろうと」

畠山が戦線復帰すれば、下位でも気を抜けない打線に。

 杉村繁打撃コーチをして、「バットの芯に当てる天才」と言わしめる川端は、バレンティン不在時に4番を任され、オールスター戦直前には2番を務めるなど、どの打順にも適応できる打者ではある。

 しかし、効率の良い打線の繋がり、破壊力を考慮すれば、やはり3番が収まりはいい。

 1番の山田が核弾頭として出塁し、2番がバントや進塁打で走者を先の塁へと進める。そこで、川端が適材適所の打撃を見せれば、バレンティンや雄平、下位ながら打率3割をマークするキャッチャー・中村悠平らが確実に走者を本塁へ還してくれる。

 そしておそらく、8月に入れば故障前まで3割2分近くを記録していた畠山和洋も帰ってくる。そうなれば、再び破壊力抜群のヤクルト打線が形成されるわけだ。

【次ページ】 「前向きに自分たちがやるべきことをやっていかないと」

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