ブラジルW杯通信BACK NUMBER
コートジボワール対策は完璧?
日本の未来を掴むW杯が遂に始まる。
posted2014/06/13 16:30
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Getty Images
アルベルト・ザッケローニ監督が5月12日に23人のメンバーを発表してから1カ月。日本代表は指宿でのフィジカルトレーニング、米フロリダ州での時差調整、暑熱対策、そして計3試合の強化マッチを経て、本番の舞台ブラジルで最終調整を行なってきた。
5回連続5度目のW杯。日本のグループリーグ初戦は6月14日午後10時(日本時間15日午前10時)キックオフとなる。相手は3回連続3度目の出場となるコートジボワールだ。
本田圭佑が「世界最高峰の選手がFWにも中盤にもいる。4、5人が世界最高峰と言ってもいい選手」と表現する、アフリカ最強軍団。日本は'10年6月4日に南アフリカW杯前最後の強化試合として対戦(0-2で敗戦)したが、その試合で感じた圧倒的な差は、今なお長友佑都の脳裏に強烈に焼き付いている。
「あのときのコートジボワール戦では本当に何もできず、自分の代表のキャリアの中で一番強かったんじゃないかと思うくらいだった。それくらいのレベル差を感じた」
グループリーグの組み合わせが決まってから長友が何度も口にしてきた言葉だ。
ドログバら「黄金世代」の集大成となる大会。
システムは4-2-1-3(4-3-3)。カリスマFWディディエ・ドログバと、'11~'13年まで3年連続でアフリカ最優秀選手に輝いているヤヤ・トゥーレが攻撃のセンターラインに君臨し、さらに今回は'13年夏にアーセナルからローマに加入してサプライズ的な活躍を見せたジェルビーニョが、サイドアタッカーとして評価を一気に上げている。
過去2大会は「死のグループ」に入る不運や、前回大会直前の日本戦でドログバが右腕を骨折するアクシデントがあり、グループリーグの壁を破ることができなかった。今回はドログバを中心とする黄金世代の集大成。悲願の決勝トーナメント進出を目指し、イタリアのパルマで中田英寿とチームメイトだったサブリ・ラムシ監督の指揮の下、個と組織のバランスを高めている。