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コートジボワール対策は完璧?
日本の未来を掴むW杯が遂に始まる。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byGetty Images
posted2014/06/13 16:30
南アフリカ大会を経験し、今では代表の中心的存在となった長谷部誠、本田圭佑、長友佑都。コートジボワール戦で、日本のスタイルが世界に通用することを証明してほしい。
遠藤、山口が警戒するヤヤ・トゥーレへの対応は?
日本代表は11日と12日の練習前、コートジボワール戦に向けた入念なDVDミーティングを行なった。対策ポイントを編集した映像は両日とも約20分。11日には相手の攻撃について、12日は守備についての映像だった。
プレミアリーグ最終節で太腿の筋肉を痛め、直近の親善マッチ2試合を欠場したトップ下のヤヤ・トゥーレも日本戦には出てくるという想定でミーティングは進められた。
対峙することになるであろう遠藤保仁は、「得点能力も高く、何をやらせてもハイレベル。コートジボワールの中でも非常に危険な選手だ。ときには攻め残ったり、逆にDFライン近くまで下がってくることもある」と、自在かつ強靱で正確なプレーを警戒する。つぶし役として先発が濃厚な山口蛍は「体を寄せても一人で守るのは難しい。センターバックと挟み込むようにしたい」とイメージを膨らませている。
ヤヤ・トゥーレに関しては要注意選手の中でも特に細かい分析がなされたという。思いも寄らぬ距離まで伸びてくる脚、ワンステップでも強烈なシュートを打ってくる様子がビデオに映し出されていた。日本としては6月6日のザンビア戦で課題として浮かび上がった「ブラックアフリカンとの間合い」を良い経験にしつつ、隙を見せずに対応することが必要だ。
セリエAで長友と激しくやりあったジェルビーニョ。
強烈なのは中央ラインだけではない。27歳のサイドアタッカー、ジェルビーニョがいる。
長友いわく「走るスピードとドリブルスピードが変わらない。スペースを与えるとやっかいな選手」。ただ、マッチアップする可能性の高い長友には、ジェルビーニョに対する苦手意識はない。今季はセリエで2度対戦しており、サンシーロでの1戦目は0-3で敗れたものの、長友とジェルビーニョの攻防に関しては互角だった。ローマでの2戦目は0-0。このときは長友がジェルビーニョをしっかりと抑えている。
もう一人。誰もが知っているディディエ・ドログバも、ピークを過ぎたとは言えパワフルでしなやかな動きは健在。今年に入ってからの親善マッチ全3試合でゴールを挙げており、5月30日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦では代表通算100試合出場を果たした。現在通算65得点。決定力はさすがだ。