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男子800mで日本新記録が誕生。
中距離で大学生が強い理由とは? 

text by

金哲彦

金哲彦Tetsuhiko Kin

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photograph byAFLO SPORT

posted2014/05/20 11:00

男子800mで日本新記録が誕生。中距離で大学生が強い理由とは?<Number Web> photograph by AFLO SPORT

男子800mで5年ぶりに日本記録を更新した川元奨(中央)。ツイッターの自己紹介には「正直、陸上より甘いもの大好きです!!」と記されている。

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 【2】「ゴールデングランプリ大会 男子800m日本記録更新!」

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 日曜日に開催されたゴールデングランプリ大会で、日大4年の川元奨(かわもとしょう)選手が800mの日本記録を更新しました。

 この種目で日本記録が更新されたのは5年ぶり。ついに1分45秒台に突入の1分45秒75です。

 レースは、同じ日大の選手がペースメーカーになり1周400mを51秒くらいで通過、そのまま500mまで引っ張りました。

 残り300mを切ってから後方にいた川元選手が加速、アメリカやケニアの招待選手たちをおさえて一気に先頭に躍り出ました。

 そして、日本記録更新。

 好記録がでる条件は、トレーニング、体調、気候、レース展開などすべてのお膳立てができていないと難しいのですが、今回の川元選手はそれらがパーフェクトだったようです。

 それにしても、この種目の日本記録は20年の歴代記録を振り返っても大学生ばかり。

 前記録の横田真人選手は慶応大学の学生だったし、その前の日本記録は小野友誠選手が法政大学のとき。

 実業団で本格的に中距離に取り組んでいるチームはほとんどないので、それが理由かもしれません。

 しかし、大学生も有力な中長距離ランナーのほとんどが箱根駅伝の20キロに流れてしまうので、日本の中距離種目は層が薄いのです。

 大学4年生の川元選手にとって、2020年東京オリンピックは脂ののったドンピシャの年齢。解説者としても、かなり楽しみです。

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 【3】「大忙しの引っ越しウィーク」

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 2年ぶりに転居を決め、今週は大忙しの引っ越しウィーク。

 時間が経つと増えていくばかりの荷物とひたすら格闘しています。

 今回、引っ越す新居のほうが面積も狭く、どうしても多くの私物を処分しなくてはなりません。

 いま流行の“断捨離”に従って身辺整理をするつもりです。

 さて、引っ越しといえばどんな運送業者を選ぶかがポイント。

 今回、てきぱきと仕事をこなす引っ越し業者のお兄さんたちに助けられました。

 打ち合わせの段階でも好印象だったのですが、引っ越し当日の対応は迅速で完璧、おまけに言葉遣いが丁寧。かなり満足のいくサービスでした。

 全部で8人ほどのクルーだったのですが、見た目それほどマッチョでもない、25歳くらいのお兄ちゃんが重いものを軽々持って運んでいる様子をみながら、思わず聞いてしまいました。

「何時間もこんなに重いものを持って腰が痛くなりませんか?」(僕自身が最近腰を痛めたので余計に気になった)

「ぜんぜん平気です! だって、毎日同じことをやってますから」

 そう簡単に言えるのは、もちろん荷物を運ぶ技術やコツを身につけているからでしょう。でも、「毎日同じことを繰り返す」というのもポイントなのだと思います。

 そのお兄ちゃんは僕がマラソンをやるのを知っていたらしく、

「でも、僕たちはお客さんみたいに何十キロも走れませんよ」

 そっか~!

 僕たちランナーも走ることには慣れているので、少々のことでは筋肉痛にはなりません。走っていない人から見ればそれだけでも驚異的なことなんでしょうね。

 毎日、重い荷物を運んでいる引越屋さんの腰が痛くならない理由がなんとなく分かったような気がします。

 なにごとも“継続は力なり”なのです。

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#金哲彦

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