ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
15歳だけじゃないアマチュア旋風!?
女子ゴルフ界の下剋上が止まらない。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byKyodo News
posted2014/05/15 10:40
KKT杯バンテリンレディスでは、通算11アンダーで勝みなみが最年少優勝を果たした。
宮里、石川、松山らの存在がアマとプロの距離を縮めた。
制度変更直前の2000年シーズンは、アマチュアの出場人数は1試合あたり平均で2.81人。宮里が優勝した翌年の'04年は3.12人に増えた。そして昨年'13年は、3.94人まで拡大している。15歳の勝の場合も、中学1年生の終わりにプロツアーデビューしてから快挙を達成するまでに、11試合のツアー出場経験があった。レギュラーツアーの舞台に辿り着くのにも一苦労のプロがいる一方で、若い実力派のアマチュアがどんどん場数を踏んでいる現状があるのだ。
'11年に樋口から会長職をバトンタッチした小林浩美は、最近のアマの活躍についてこう言う。
「宮里藍ちゃんが高校生で優勝して、その後(2007年に)男子で石川遼ちゃんが勝って、すごい活躍をした。最近では松山(英樹)くんがすごい……('11年にツアー制覇)。アマチュアの世界で、憧れる存在が近くにいて『私もああなりたい』と、若い皆さんが感化されているのでは。『私もプロの試合で勝つぞ』という意識になれば、日々の努力の目標がそこ(ツアー優勝)になる。だから非常に成長する」
制度上の変化により、若いトップアマにとって、ツアーはより身近なものになった。そして宮里から石川、松山といった具合に4年ごとに続いたアマチュア選手の成功体験が、「優勝」さえも身近にした。
結果を恐れないアグレッシブさも武器の一つ。
もっとも、時代の流れは世界だって同じ。米女子ツアーのレクシー・トンプソンはアマ時代の12歳で全米女子オープンの予選会を突破したし、リディア・コは米ツアーのカナダ女子オープンを2連覇してしまった。「アマチュア優勝」は世界的に発生しているのである。
「アマチュアの強さ」として挙げられるのが、ピンをアグレッシブに狙うショット、ガツンガツンとカップの縁を叩いていくような強気のパットなどがある。結果を恐れずに、トライしていく姿勢のことだ。ただそれは経験の浅いプロが持つ「若さの強さ」と表現されるものと、何ら変わりがない。