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混迷の優勝戦線と6人の監督解任。
波乱のプレミア、前期ベスト11発表! 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2014/01/09 10:30

混迷の優勝戦線と6人の監督解任。波乱のプレミア、前期ベスト11発表!<Number Web> photograph by Getty Images

20節ハル戦で20得点目を挙げたスアレス。出場15試合で20得点はプレミア史上最速記録。

中盤左はアザール、右は意外な名前が……。

MF アザール、ラムジー、トゥーレ、ララーナ

 左サイドには、チェルシーのエデン・アザールを選びたい。ジョゼ・モウリーニョ新体制での攻撃的スタイル確立はFW陣の低調もあって難航中だが、目指すポゼッション・サッカーに不可欠な前線からのプレスは、アザールを旗頭に浸透した。

 チーム最高の8ゴール5アシストを記録している2列目のエースは、自らの1点が勝敗を分けた第18節スウォンジー戦でも、80分過ぎの交代直前まで守備面での仕事も怠らなかった。同じことが、フアン・マタを抑えてトップ下を任され、本ベスト11ではアザールの控えに回るオスカルにも言える。指揮官が冬のFW補強を繰り返し否定しているチームが、4年ぶりの優勝を実現するには、計14得点の両プレーメイカーの勤労と好調の維持が前提となる。

 逆サイドは、サウサンプトンのアダム・ララーナ。マウリシオ・ポチェッティーノ監督の下、強烈なプレッシングが徹底された昇格2年目のチームは、一時は3位まで浮上したほどの躍進ぶり。個人的にも、11月にイングランド代表デビューを果たしたばかりか、今夏のW杯メンバー入りさえ噂されるララーナは、トップ10内の新興勢力を象徴する主軸だ。

 主力に国産選手が多いサウサンプトンのホームゲームでは「カモン、イングランド!」の掛け声も聞かれたが、ララーナも、ポゼッションと並んでチームが拘りを見せる「自家製」を象徴するユース出身者でもある。

 その右サイドにオプションを加えるとすれば、マンCで生え抜きの如く開幕からフィットした新ウィンガー、ヘスス・ナバスになる。

中央は、チームへの貢献度が大きい2人で決まり。

 センターハーフは、アーロン・ラムジーとヤヤ・トゥーレのコンビで決まり。リーグ戦18試合で8ゴール6アシストのラムジーは、スアレスと前半戦MVPを競える。アーセナルの首位キープにおける貢献度は、新トップ下のメスト・エジルさえ凌いでいた。

 そのエジルは、アシスト数でルーニーに次ぐリーグ2位につけているが、後半戦でワールドクラスのさらなる本領発揮となれば、10年ぶりのリーグ優勝が現実味を帯びる。今月の移籍市場で、駒不足の1トップに噂のディミタール・ベルバトフあたりをフルアムから獲得できれば更に面白い。

 プレミア8年目のベテランFWは、足下の巧さと肉体的な強さを併せ持つアーセナル向き。フルアムでは、当人が慕っていたマルティン・ヨルが12月に監督を解雇されている上、残留争いが濃厚ときている。若手志向のアーセン・ベンゲル監督が、短期的だが効果的な補強策として割り切れれば、説得に手間はかからないはずだ。

 一方のトゥーレは、自らも10得点を上げているマンC中盤の原動力。もっとも、既に昨季の7ゴールを越えている得点数アップには、前述のネグレドの他、新ボランチのフェルナンジーニョが、攻め上がりの機会を与えてくれている事実もある。

 そのフェルナンジーニョと共に、ベスト11の控えセンターハーフは、全く安定性のないカーディフで唯一、一貫性のあるパフォーマンスを見せるガリー・メデルも捨て難いが、優勝争いの圏内にいるリバプールから、ジョーダン・ヘンダーソンを選ばざるを得ない。成長著しい23歳のイングランド人MFは、計1ゴール3アシストを記録した12月のカーディフ戦とトッテナム戦で、スティーブン・ジェラード欠場の穴を感じさせないほどだった。

【次ページ】 予想を大きく上回る堅守でチームを支えたDFたち。

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ルイス・スアレス
マヌエル・ペジェグリーニ
セルヒオ・アグエロ
アルバロ・ネグレド
ウェイン・ルーニー
エデン・アザール
フアン・マタ
マウリシオ・ポチェッティーノ
ヘスス・ナバス
アーロン・ラムジー
ヤヤ・トゥーレ
フェルナンジーニョ
ジョーダン・ヘンダーソン
ペア・メルテザッカー
デヤン・ロブレン
ジョゼ・フォンテ
オスカル
フィル・ジャギエルカ
レイトン・ベインズ
パブロ・サバレタ
アスミル・ベゴビッチ
ブレンダン・ロジャーズ
ロベルト・マルティネス
シモン・ミノレ
アダム・ララーナ
ルーク・ショー
シーマス・コールマン

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