Number Do SpecialBACK NUMBER

<走るだけで気持ちよくなるって本当?> ランナーズハイの謎。 

text by

成田智志

成田智志Satoshi Narita

PROFILE

photograph bySho Fujimaki

posted2014/01/13 08:10

<走るだけで気持ちよくなるって本当?> ランナーズハイの謎。<Number Web> photograph by Sho Fujimaki
走るうちに苦しさが消え、高揚感がわき上がってくるというランナーズハイ。
誰もが知っている言葉だが、いったいそれが何なのかは誰も知らない。
わかるようでわからない、その不思議に迫る――。

好評発売中の雑誌Number Do『この秋、知っておきたいランのABC』
ランニング初心者から経験者まで読めばきっと走りたくなる特集から、
自分の限界を超えるメカニズムと体験談を公開します。

 170kmを不眠不休で駆け抜ける「アンドラ・ウルトラ・トレイル」という山岳レースをご存じだろうか。ヨーロッパの山岳地帯に位置する小国、アンドラで開催されるこのレースは累積標高が12200mにおよぶ過酷なコースのため、上位の選手でも1日を超える30時間台のタイムでゴールする。

 フルマラソン4回分という距離だけでも驚くが、ルートはアップダウンのきつい岩だらけの山道だ。高山だから当然空気も薄い。

 そんな大自然の中の急峻なコースを昼も夜もほとんど休むことなく、一人で走り続ける超人的なランレースなのだが、昨年6月、あるドキュメント番組で日本を代表するトレイルランナーである山本健一がレースの終盤、幻覚を見ながら走るシーンが放映され話題となった。

 それはレース開始から24時間以上が経過した朝のシーンで、徹夜で駆け続ける山本が次々に出くわす道ばたの岩を指さしながら、「フクロウ? あれはフクロウ?」と同伴するテレビクルーに繰り返し尋ねるという衝撃的な映像だった。

こちらは雑誌『Number Do』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 4466文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

#山本健一

陸上の前後の記事

ページトップ