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楽天・巨人の戦力を輩出してきた
東都リーグは、大学最強を守れるか。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNaoya Sanuki
posted2013/11/15 10:30
日本シリーズ最終戦で6回1安打無失点で切り抜け、楽天優勝を手繰り寄せた美馬学。今年プロ3年目だった27歳は、中大時代にも東都リーグ2部優勝&MVPを経験している。
守り合いが度を越せば、パフォーマンス低下も。
過去4大会で11試合戦い、総得点はわずか32。1試合平均で3点に達しない計算になる。これは亜細亜大がというより、東都大学リーグ全体の傾向で、直近の1部2部入替戦、駒澤対東洋大などは1回戦が3対0、2回戦が1対0(駒澤大が連勝して1部残留)という胃がきりきりするような戦いぶりだった。
日常的にこういう守り合いをするからプロで活躍できる選手が多く輩出されるのかもしれないが、日常的な守り合いが度を越した小技の応酬に発展すれば、パフォーマンス能力が低下する危険性もある。全国大会を勝っていない現状を見ればそう考えるほうが理屈に合っている。
東都大学リーグの底力を改めて世に問う戦いが11月16日からスタートする明治神宮大会だ。アマチュア球界を締めくくる大会で、組み合わせは次の通り。
東都大学リーグの代表校、亜細亜大が登場するのは大会2日目の第4試合、対戦相手は八戸学院大対福岡大の勝者。福岡大には先月行われたドラフト会議で阪神から4位指名された梅野隆太郎(捕手)がいる。東都の宿命のライバル、東京六大学リーグの覇者・明治大が登場するのは2日目の第3試合で、対戦相手は左右の本格派、金沢一希、西藤昭太を擁する道都大。この大会の結果いかんでは大学野球の勢力図が塗り替えられる可能性もある。