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楽天・巨人の戦力を輩出してきた
東都リーグは、大学最強を守れるか。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNaoya Sanuki
posted2013/11/15 10:30
日本シリーズ最終戦で6回1安打無失点で切り抜け、楽天優勝を手繰り寄せた美馬学。今年プロ3年目だった27歳は、中大時代にも東都リーグ2部優勝&MVPを経験している。
楽天が4勝3敗で優勝した日本シリーズで目についたのは、東都大学リーグ出身者の活躍だ。
楽天では、2勝を挙げ、シリーズMVPに輝いた美馬学が中央大出身。打数こそ少なかったがシリーズで打率.471を記録した聖澤諒と、好リードで投手陣を支えた嶋基宏は1学年違いの国学院OBである。巨人では、チーム最高の打率と打点を挙げて敢闘選手賞に輝いた長野久義が日本大出身者だ。
さらには、阿部慎之助が中央大、村田修一(日本大)と矢野謙次(国学院大)は大学こそ違うが同学年の東都OB。亀井義行(中央大)と長野は'03、'04年の2年間、神宮球場でライバルとして東都リーグでプレーし、澤村拓一と美馬は中央大で2年間、チームメートとしてプレーしている。さらに矢野謙次(国学院大)と松本哲也(専修大)は大学1~4年までの全シーズン、東都の2部リーグで学生生活を送っている。以上のことをおさらいすると次のようになる。
◇楽天
嶋基宏 '03~'06年 国学院大 <'03(大学1)年春~'06(大学4)年春まで2部在籍>
聖澤諒 '04~'07年 国学院大 <'04(大学1)年春~'06(大学3)年春まで2部在籍>
美馬学 '05~'08年 中大 <'06(大学2)年春~'08(大学4)年春まで2部在籍>
◇巨人
阿部慎之助 '97~'00年 中大 <'97(大学1)年春~'99(大学3)年春まで2部在籍>
村田修一 '99~'02年 日大
矢野謙次 '99~'02年 国学院大 <'99(大学1)年春~'02(大学4)年秋まで全シーズン2部在籍>
亀井義行 '01~'04年 中大
長野久義 '03~'06年 日大
松本哲也 '03~'06年 専大 <'03(大学1)年春~'06(大学4)年秋まで全シーズン2部在籍>
澤村拓一 '07~'10年 中大 <'07(大学1)年春~'08(大学2)年春まで2部在籍>
阿部が在籍していた'97年から現在まで、東都大学リーグの上位校は優勝回数で見る限り亜細亜大、青山学院大、東洋大の3校で異論はないと思うが、それらの上位校OBは楽天、巨人では少数派で、1部と2部を往復するような下位校OBを中心にチームを作って日本一を争った。