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サム・アラダイスが電撃解任!
英国人監督の権威がプレミアで失墜。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2010/12/24 10:30

サム・アラダイスが電撃解任!英国人監督の権威がプレミアで失墜。<Number Web> photograph by AFLO

ブラックバーンをクビになったサム・アラダイス。さまざまなチームで指揮をとり、2001年に西澤明訓がボルトンに入団したときの監督でもあった

典型的な英国人監督は「チーム作りの全権を握る者」。

 一般的に、英国人は監督を「マネージャー」と呼ぶ。この肩書きはチーム作りの全権を握るポジションというニュアンスを持つ。

 1970年代末にノッティンガム・フォレストの監督としてヨーロピアンカップ(現CL)2連覇を成し遂げた名将、ブライアン・クラフの栄光と挫折を描いた映画『The Damned United』には、クラフが「俺が連れてきた選手に、黙って金を払ってくれればいい」と会長に向かって言い放つシーンがある。英国人が「マネージャー」に抱くイメージは当時から変っていない。

 それがプレミアにおいて増える一方の外国人オーナーたちによって、覆されようとしている。彼らはクラブへの愛着ではなく、ビジネス感覚を前面に押し出して経営を行なうことから、監督に対し、指導に専念する「コーチ」としてのスタンスを求める傾向にある。戦力補強をディレクターの管轄とすれば、予算管理が容易になるからだ。

 ロシア人大富豪が牛耳るチェルシーでさえ、3年前にジョゼ・モウリーニョ(現R・マドリー監督)がオーナーとの確執でチームを去って以来、監督の肩書きには「コーチ」が用いられている。

後任監督として名が挙がったのがディエゴ・マラドーナ!?

 ブラックバーンは、1軍コーチのスティーブ・キーンに暫定監督を任せながら後任を物色することになった。

 正式な新監督としては、当初、ディエゴ・マラドーナが有力と噂されたが、クラブは「後任候補としてのアプローチはあり得ない」と、すぐさま否定している。

 新オーナーの「前向きな英国人が望ましい」という発言もあり、一昨季末にニューカッスルで指揮を執ったアラン・シアラーが有力候補の1人に数えられているが、彼がニューカッスル監督当時と同様に全権を要求することはまず間違いない。“国産”には、スチュワート・ピアース(現イングランドU-21代表監督)、マーティン・オニールという有望株もいるが、両者は現役時代に前述のクラフを指揮官として仰いだ身だ。オニールに至っては、米国人オーナーと補強案で折り合いがつかず、今季開幕直前にアストンビラの監督を辞任している。

【次ページ】 アラダイス前監督は進化できなかった恐竜なのか?

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