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<わたしの愛する山遊び> 探して、採って、食べる きのこ ~「ペンションきのこ」オーナー小宮山勝司が採る~
text by
NumberDo編集部Number Do
photograph byKatsuji Komiyama
posted2013/09/24 06:00
その魅力を教えてもらうと山の奥深さが見えてきた。
好評発売中の雑誌Number Do「日本百名山を再発見~あの山はもっと遊べる!~」では、山登りの楽しみ方を様々な角度から切り込んでいます。
今回はきのこを愛するペンションオーナー、小宮山勝司さんに
秋の味覚の代表格について聞いた特集を、全文公開します!
鍋、パスタ、炊き込みご飯など、様々な料理を彩り、1年を通してスーパーで手に入るきのこ。だが、自分できのこを採ったことのある人は少ないかもしれない。長野にあるその名も「ペンションきのこ」オーナーの小宮山勝司さんに、山できのこを採ることの楽しさと注意点を伺った。
探すときのコツは、歩きそうな道から少し外れてみる。
よく「どの山に行けば××っていうきのこが採れますか?」と尋ねられるのですが、実はうまく答えられないんです。山というよりも林によって採れるきのこが違いますから。例えば、アカマツ林ならマツタケやアミタケ、カラマツ林ならハナイグチという具合です。
一番きのこが多いのは雑木林。様々な種類の木が生える森や林は、秋になると落ち葉の絨毯ができるので適度な湿度が保たれ、きのこが成長しやすい。そういう森は動物も多く住んでいるし、私ら人間も木漏れ日を浴びたりなんかすると、昼寝をしたくなっちゃうような気持ちのいい場所です。きのこが多い森は本当の意味で“豊か”なんですね。
山できのこを探すときのコツは、他の人が歩きそうな道から少し外れてみること。人が足を踏み入れる場所はだいたい同じで、そこではなかなか見つからない。嗅覚を働かせて、あえて場所をズラしてみるといいですよ。
ただ、藪や獣道に入っていく場合は遭難の危険もある。きのこを探して下ばかり見ていると方角を見失いがちなので、複数人でお互いの場所を確認しながら探してくださいね。
意外かもしれませんが富士山はきのこが多いんです。
あと、毒きのこにも注意は必要です。採るのはいいけれど、食べる前には知識のある人に必ずチェックしてもらいましょう。ペンションに来ていただければ、自分の実体験に基づいて怖さをお伝えできますよ(笑)。
日本の山は世界的にもきのこの種類が豊富です。意外かもしれませんが富士山は凄くきのこが多い山だし、うちの裏手にある四阿山(あずまやさん)でも色々な種類を採ることができます。
私も最初はまったく見分けがつかなかったんですが、少しずつコツをつかんで来たり、きのこ好きの間で情報交換しているうちに知識が増えてきました。でも、実は愛好家が集まっても4分の1くらいは分類不能なんです。本を読んでも、図鑑で調べてもわからないものがたくさんあるんです。