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レッドブルが鈴鹿で歴史を作る!?
大混戦の日本GP、見所を一気紹介。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byHiroshi Kaneko
posted2010/10/07 10:30
初開催となった1987年から鈴鹿で行われてきた日本GPは、最終戦もしくはその直前に開催されていたこともあってタイトル決定の場となるケースが多かった。
'87年から'91年まで、じつに5年連続で鈴鹿は戴冠式の舞台となっただけでなく、その後も'96年、'98年、'99年、2000年とチャンピオンは鈴鹿で決定。2009年までの21回中、約半分となる10回も日本のファンは鈴鹿で雌雄を決する戦いの証人となってきたのである。
これ以外にも、タイトルは決定しなかったものの、選手権を大きく左右した重要な一戦として語り継がれる名勝負が鈴鹿では何度も繰り広げられてきた。
今年の鈴鹿は過去の歴史を塗り替える大混戦に!
ただし、これまでの激戦の歴史と今年の日本GPの状況で異なる点が2つある。
それはタイトル争いを演じてきたドライバーの数とそのドライバーが所属していたチームである。以下は鈴鹿でチャンピオンが決定した年に最後までタイトル争いをしていたドライバーとその所属チームである。
'87年 ネルソン・ピケvs.ナイジェル・マンセル(ともにウイリアムズ)
'88~'90年 アイルトン・セナvs.アラン・プロスト
('88~'89はともにマクラーレン、翌年はプロストがフェラーリへ)
'91年 アイルトン・セナ(マクラーレン)vs.ナイジェル・マンセル(ウイリアムズ)
'96年 デーモン・ヒルvs.ジャック・ビルヌーブ(ともにウイリアムズ)
'98年 ミカ・ハッキネン(マクラーレン)vs.ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)
'99年 ミカ・ハッキネン(マクラーレン)vs.エディ・アーバイン(フェラーリ)
2000年 ミカ・ハッキネン(マクラーレン)vs.ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)
2003年 ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)vs.キミ・ライコネン(マクラーレン)
これまで日本GPでタイトルを賭けてラストファイトを演じてきたドライバーは1シーズン2人だった。
ところが今年は25点差の中に5人ものドライバーがひしめき合う大混戦。今シーズンからポイント制度が大きく変更され、優勝者には25点が加算される。
現在ランキングトップに立っているマーク・ウェバー(202点)から5位のジェンソン・バトン(177点)までは25点しかない。