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ダルビッシュの無念と今後の飛躍。
~完全試合に最も近付いた男たち~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2013/04/06 08:02

ダルビッシュの無念と今後の飛躍。~完全試合に最も近付いた男たち~<Number Web> photograph by Getty Images

最後の最後に股間を抜ける中前打を浴び、大記録達成はお預けとなった。

 惜しい。悔しい。あとひとりだった。

 結局、ダルビッシュは24人目になりそこね、11人目になってしまった。

 2013年4月2日、今季初登板のマウンド。完全試合を眼の前にしながら、ダルビッシュは9回2死から安打を許してしまった。

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 完全試合が達成されていたら、史上24人目の快挙になるところだった。もっとも、2012年はこの難事業が3度も完遂されている。歓喜の叫びをあげたのは、フィリップ・アンバー(ホワイトソックス。4月21日、対マリナーズ戦)、マット・ケイン(ジャイアンツ。6月13日、対アストロズ戦)、フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ。8月15日、対レイズ戦)の3人だ。

 完全試合は近年、急増している。1900年から'63年までの64年間では4度しか達成されなかったのに、2010年代に入ってからはすでに5度も達成されているのだ('80年代が3度、'90年代が4度、ゼロ年代が2度)。

「9回2死」で夢が潰えたのはダルビッシュだけではない。

 一方、「9回2死までパーフェクト」というニアミスが増えたのも、やはり'80年代以降のことだ。

 ニアミス第1号は1908年のフックス・ウィルツェ(ジャイアンツ)だが、そのあとは大きく時代が飛ぶ。'32年のトミー・ブリッジス(タイガース)までは25年近い間隔が空くし、'58年のビリー・ピアース(ホワイトソックス)や'72年のミルト・パッパス(カブス)までも、15年に1度のペースだった。

 が、'80年代以降は急に頻度が上がる。

 第5号は'83年のミルト・ウィルコックス(タイガース)、第6号が'88年のロン・ロビンソン(レッズ)、第7号が'89年のデイヴ・スティーブ(ブルージェイズ)、第8号が'90年のブライアン・ホールマン(マリナーズ)、第9号が2001年のマイク・ムッシーナ(ヤンキース)、第10号が2010年のアルマンド・ガララーガ(タイガース)――といった具合に、この30年間では6人の投手が「あとひとり」の悔しさを味わってきた。

【次ページ】 「28アウトの完全試合」を達成したガララーガの寛大さ。

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