スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
最先端のサプリメントで、外見の肉体改造ではなく、免疫力アップを目指す!!
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph byNanae Suzuki
posted2013/02/27 06:00
春はすぐそこまで来ているというのに、まだまだ寒さが厳しい日が続いている。
そのせいか、ふたりは身体がダルくて風邪気味の様子だ。特に奥山氏の具合が芳しくない。そこで高氏がおもむろに健康サプリを取り出したのである。はたしてその効き目はいかに……!?
奥山 グスッ……お早うございます。ゴホンッ、ゴホゴホ。
高 お早う。なんだよ、朝っぱらから咳しながら鼻水すすって。風邪かぁ!? ダラしねえなぁ。
奥山 いやあ、ここんところ寒さが厳しいじゃないですか。湯冷めとか寝冷えで、どうやら風邪ひいちゃったみたいなんですよ。
高 おっと、湯冷めや寝冷えというのは、風邪の直接の要因じゃないんだな。この時期、低温と乾燥によってウィルスが活性化するからなんだ。しかも奥山は混雑した電車で通勤するだろ? ああいう閉め切ったトコロに人がたくさん集まる環境では、ウィルスを移されやすいんだよ。
奥山 そういう高さんだって、なんだか鼻声ですよ。高さんは自転車通勤だから、ウィルスに感染する機会は少ない筈なのに。
高 う~ん、ま、この歳にもなるとそもそも身体が持っている「免疫力」が落ちるからな。そのくせ自転車通勤とか、週末のロングツーリングとかで体力を消耗しちゃうから。なんだか、俺も風邪気味かもしれない。
奥山 健康のために自転車に乗っているのに体調を崩しては、まさしく本末転倒じゃないですか!
高 っていうか、風邪ひいているあなたに言われる筋合いじゃないけど……。ま、こういう事態は俺みたいな“ヘタれアスリート”だけじゃなく、オリンピックに出場するトップアスリートにも起こっているらしい。聞くトコロによると、アスリートが国際大会中に体調を崩す要因の1位は、なんと風邪! 日本オリンピック委員会の調査によると、病気(内科系疾患)をした選手の中でその割合は約35%、つまり病気をした3人に1人が大会中に風邪を引いちゃってたんだな。アスリートは病気に強いというイメージがあるけど、過度のトレーニングや環境が変わったことによるストレスなどで、免疫力がガクンと落ちちゃって風邪を引くらしい。そして、飛行機とか選手村とか、人が密集するトコロでウィルスを移されちゃうんだよ。
今さら訊けない……「免疫力って何?」
奥山 へえ~、トップアスリートはとてつもない肉体&体力の持ち主だから、風邪なんて無縁だと思ってました。でも、そもそも「免疫力」って何スか? 最近よく耳にするんですけど、解っているようでイマイチ解らないんですよね。
高 おおっ、よくぞ聞いてくれました~。ちょうど先週、知り合いのスポーツドクターに聞いてきたばかりなんだよ。んじゃあ解説しちゃおうかなっと。
【獲得免疫】 マクロファージから警報を得たヘルパーT細胞が、B細胞とキラーT細胞に敵を攻撃する指令を出す。B細胞は病原体の特徴に合わせて、抗体を大量に作り出す。キラーT細胞はウィルスに侵された細胞や、癌になってしまった細胞を見つけて処理する。
奥山 うっ、蘊蓄オヤジを刺激しちゃったよ。あの~、風邪ひいてるんで、短めにお願いします。
高 免疫というのは「感染予防」と「健康維持」、そして「老化予防」の働きがある。感染予防は文字通り、インフルエンザなどの病原ウィルスや病原菌からの感染を防止する働きだな。また、疲労回復や病気などの回復、ストレスに強い身体を作って健康維持したり、新陳代謝を活発にして機能低下や細胞組織の老化を予防する働きもある。
奥山 早くも頭痛がひどくなってきたんで、説明はその感染防衛に絞ってください。
高 防衛機能は「自然免疫」と「獲得免疫」の二重になっているんだ。自然免疫にはマクロファージやNK細胞、リゾチーム、インターフェロンとかがあって、それらは感染を繰り返しても抵抗力は高まらないんだ。一方、獲得免疫にはT細胞やB細胞、サイトカインとかがあって、これらは感染を繰り返すと抵抗力が高まるんだ。
奥山 あの~、なにを言ってるかさっぱり解らないんですけど。
高 ちっ、しようがねえなぁ。では、この図をみたまえ! ジャ~ン。
奥山 凄い、こんなパネルまで用意してたんですか。なんか、NHKの番組みたいですね(笑)。
高 まぁ、要するにだな、この図の丸っこくて頑張っている奴らの働きをアップさせることが免疫力を上げることであり、また働きやすくさせる環境(=身体)作りが大事ってワケだ。