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負け犬の逆襲と接戦に強い球団。
~MLB今季の注目チームは?~
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芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2013/02/24 08:01
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智将ショーウォルター監督の下、オリオールズは昨季の「奇跡」の再現を狙う。
WBCの開幕はすぐそこだが、大リーグの春季トレーニングもそろそろ本格化してきた。どちらが気になるかといえば、正直なところ今シーズンの行方だ。
投高打低の傾向に変化は生まれるのか。ジャイアンツの王朝はまだしばらく継続するのか。潤沢な資金を得たドジャースは王座奪回の道を歩めるのか。ニューヨーク/ボストン/フィラデルフィアの三都に復興の可能性はあるのか。去年のオリオールズのようなラッキー・チームは今季も出てくるのか。
ちょっと考えただけでも、テーマはつぎつぎと湧いてくる。
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逆にWBCのテーマ、とくに日本代表のテーマはさほど多くない。首脳陣を団塊の世代に任せて大丈夫なのか。大リーガーのいないチーム(大リーグ経験者も松井稼頭央ただひとりだ)にメンタル面の不安はないのか。監督、コーチ、選手が、そろって浮き足立つことはないのか。私などは、ついそちらの心配ばかりをしてしまう。杞憂ならよいのだが、アテネ五輪や北京五輪の惨状がリピートされるのではないか、という予感もなくはない。まあ、もうしばらく様子を見てみよう。
今季も“大穴”のチームがプレーオフ進出を果たす!?
というわけで、話を2013年大リーグの傾向予想に戻す。
2012年は、ワイルドカードが2枚に増えた記念すべき年だった。その結果、プレーオフに進出したチームは、両リーグ合わせて10球団にのぼった。わけても注目すべきは、前年に負け越していたチームが4つもプレーオフに勝ち上がってきたことだ。
ナショナルズ、レッズ、アスレティックス、オリオールズ。ナショナルズやレッズは黒馬と見なされていたが、アスレティックスやオリオールズはまったくの無印だった。この大穴を予想した人は、ほとんど皆無だったのではないか。
さかのぼって調べてみると、ワイルドカード制が採用された1995年以降の18年間で、プレーオフに進出したチームの総数は146にのぼる(8×17+10)。そのうち、前年に負け越していたチームの数は37。つまり、毎年平均2つのチームが、驚くような逆襲を見せてファンを楽しませてくれるわけである。