スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
ミラーレス一眼カメラなら、スポーツの決定的シーンを素人でもキレイに撮れる!?
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph byNanae Suzuki
posted2012/11/27 12:10
カレンダーの残りが少なくなると、雑誌業界は締め切りに追われる“年末進行”で大わらわ。そんな忙しい2人のブツ欲を刺激したのは、ミラーレスの一眼カメラだ。年末年始のスポーツ観戦や、休み中のスキー&スノボ旅行に使うらしいが……。ミラーレスの意味も解ってない素人に、高性能を活用できるのか!?
奥山 いよいよ年の瀬も押し迫ってきましたね。もちろん年末年始には、石垣島に帰るんでしょ?
高 あ~っ? あなたが年末ギリギリまで仕事を入れるもんだから、飛行機のチケットが取れなくなっちゃったんだよ(怒)。……ったく、おかげで1人で寂しく年越し&正月だぜ。
奥山 まぁまぁ、この御時世、僕らの業界は仕事があるだけ幸せですから。ところで、このカメラはどうしたんですか?
高 ああ、コレね。年末年始はスポーツイベントがメジロ押しでしょ!? 部屋でゴロゴロしているのもナンだし、いろいろと観戦しようと思ってさ……。で、その時にはカメラがあった方がいいと思って、最新のミラーレス一眼デジカメを買ったんだよ。
奥山 箱根駅伝やサッカー天皇杯に有馬記念、大学ラグビーなど、いっぱいありますからね。それらの決定的なシーンを、このソニーNEX-6でしっかり撮っちゃおうってコトですね。でも、以前、高さんは「ど素人はコンパクトデジカメで十分」って言ってませんでしたっけ? それにそもそもミラーレスって何? ミラーレスにすると、何が良くなるんですか?
高 OK。詳しく説明する前に、まずはコイツを持ってみなよ。
奥山 おおっ! 軽いですね。しかも掌にすっぽり収まるくらいにコンパクトですね。一眼レフでこの軽さと小ささはびっくりですね。
高 NEX-6の本体自重は287g、バッテリーとメモリースティック込みで345g、標準レンズが100gちょっとだから、奥山が今持ってるのは500gそこそこだね。ボディもまさに掌サイズ。つまり、ミラーレスにすると、これだけ小さく軽くなるってわけ。カメラってのはまるまる一日バッグの中、もしくは肩や首にかけて携帯するんだから、軽量かつコンパクトというのは何よりのメリットであることは間違いない。
奥山 ごもっともです。で、ここ最近、猫も杓子もミラーレスをもてはやしていますが、みんなミラーレスの原理を理解しているんですかね? 高さんだって、ちゃんと解ってるんですか?
今さら訊けない!? 一眼レフカメラの仕組み。
高 まずは基本的な一眼レフカメラの構造を説明しようか。カメラ本体には傾斜したミラーが内蔵されているんだ。レンズで取り込んだ光、すなわち被写体をそのミラーで反射させ、さらに上部にあるペンタプリズム(屈折レンズ)でもう一度反射させてファインダーに導くってわけだ。
奥山 なるほど。今まで何にも考えないでファインダーを覗いてましたが、2回も屈折した像を見てたってわけですね。
高 そうだよ。そのミラーの奥には、昔はフィルムがあって、シャッターがカシャッと開閉することで被写体がそのフィルムに焼き付けられるって仕組みだ。ちなみに、デジタルになった現代では、フィルムの代わりの撮像素子があるんだけどね。
奥山 へえ~、すると連写モードではもの凄いスピードで、シャッターがカシャカシャカシャって開閉しているんですね。
高 そのとおり。フィルムは光を当てると感光して真っ黒になってしまうから、シャッターを閉じておいて撮りたいときだけ、そのシャッターを開ける必要があったんだ。ところが、デジカメの撮像素子は光を当て続けてもなんら問題がないし、液晶ファインダーだからミラーも必要ない、と。んじゃあ、ミラーなんか取っ払っちゃえ……というのが、ミラーレスの発想だな。ミラーが必要なくなったことで、ミラーレスカメラはこれだけ小さく軽くなったってわけだ。解ったかね?
奥山 へえ~、さすが蘊蓄オヤジ。よく知ってますね。
高 ああ、今回ミラーレスを購入するにあたり、知り合いのプロカメラマンのトコロに「一眼レフ&ミラーレス講座」を聞きに行ったんだよ。実は今の解説って、その講義のまんま受け売りなんだ(苦笑)。
奥山 なぁ~んだ。