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ディマッテオの下、ランパードも変身!
新生チェルシーを支える「学習能力」。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byTomoki Momozono

posted2012/09/13 10:30

ディマッテオの下、ランパードも変身!新生チェルシーを支える「学習能力」。<Number Web> photograph by Tomoki Momozono

9月に入り、ボランチを務めていたラウル・メイレレスがトルコのフェネルバフチェに移籍。ランパードの役割はより重要になった。

今季のチェルシーらしさを見せたトーレスのゴール。

 その暫定監督の昇格が決まり、自身もエースに昇格した上、フアン・マタ頼みだったサポート陣の補強が実現したのだから、トーレスの自信回復も当然だ。

 第3節ニューカッスル戦(2-0)での1点は、チェルシーでのベストゴールと言ってもよい。前半ロスタイム、敵陣内で、ブラニスラフ・イバノビッチがマタにボールを預ける。続いて、マタが一旦後ろに叩いたボールは、1.5列目の位置にいたトーレスに。ターンで前を向いたトーレスは、代わりに最前線にいたアザールにパス。アザールが、CBを背負いながらキープする間、外に膨らんだマタが左SBとボランチの注意を引き付ける。相手DF陣の意識が逸れた隙にトーレスが足を進めると、アザールからバックヒールでラストパスが届けられた。トーキック気味にゴール右上に叩き込んだシュートが、ゴールゲッターならではのフィニッシュならば、ゴールに至る過程も、今季のチェルシーならではのビルドアップだった。

早くもプレミアに適応しつつあるスター候補生・アザール。

 アシストをこなし、一気にスター候補生になったアザールは、更に学習が早い。プレシーズンの米国遠征中のアザールには、映像で確認する限り、ドリブルで袋小路にはまる姿が目についた。ブライトン(2部)との親善試合と、マンCとの開幕前哨戦で観察したアザールは、チャージの激しさとテンポの速さに驚いているようだった。だが、「ブライトン戦とコミュニティ・シールドは、貴重な経験になった」と言う新トップ下は、重心の低さでボディッチェックに耐え、素早いターンでマークを振り切り、使いどころを弁えたドリブルでプレミアに適応した。その結果が、開幕から3試合連続の計4アシスト。2度のPK獲得を含めれば、3試合で6ゴールを演出した計算だ。

 2列目では、開幕戦からサブで起用されたオスカルに加え、脚の怪我で出遅れたマリンも、今後は出場機会を得る。CLグループステージを含むカップ戦では、2人に先発の機会もあるだろう。アザールと同じく、トップ下もサイドもこなす両MFは、マタとポジションチェンジを繰り返しながらトーレスにチャンスを供給するという、昨季にはなかった前線での展開を可能にする新戦力だ。

【次ページ】 いざとなれば、引いてカウンターを狙う昨季の再現も可能。

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