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日本はなぜ史上最多メダル数に?
ハイテクと巨大施設で目指した五輪。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2012/08/30 10:30

日本はなぜ史上最多メダル数に?ハイテクと巨大施設で目指した五輪。<Number Web> photograph by AFLO SPORT

東京都北区にある「味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)」は、日本初のトップレベル競技者用トレーニング施設。JOCやその加盟競技団体の選手・スタッフが使用している。

 ロンドン五輪が終わって、半月以上が過ぎた。

 メダルを獲得したのは、実施された26の競技のうち、半数の13競技に上った。北京では28競技中の8競技だったから、広がったことが分かる。

 大会を終えて、あらためて好成績の原因として浮上するひとつに、環境整備も含めたサポートの力がある。

「マルチサポートの力もすごく大きいんじゃないかなと思います」

 競泳の平井伯昌ヘッドコーチは、そのように振り返っている。

 また、フェンシング団体のメンバーとして銀メダルを獲得した太田雄貴もこう語っている。

「JISS(国立スポーツ科学センター)という環境も提供していただきました」

 マルチサポートとは、文部科学省が4年前にスタートさせた、情報分析、医科学面などで支援する事業である。JISSはこの事業を委託され、フェンシングをはじめとするさまざまな競技で、サポートとなる活動を行なってきた。

 また、2008年1月には、「味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)」が全面的にオープン。

 ロンドンへ向けての4年間は、こうした環境やサポート面の充実のもとで強化に励んだ期間であった。

JISSによる練習環境のサポートがロンドンで結実した。

 では、具体的にどういった面で変化があったのか。

 ひとつには、練習環境がある。

 例えばナショナルトレーニングセンターの中に、バドミントンは10面のコートを持つ専用の練習場を持つことができたし、レスリングや体操などの練習場も設置された。今春にはNTCとJISSの敷地内にアーチェリーの練習場も開設され、長期合宿を行なえるようになった。

 アーチェリーのように、オリンピック競技の中でも注目度の高くない競技は、練習場所にも苦労することは珍しくなかったから、まず、練習に打ち込める環境が大幅に改善されたのだ。

【次ページ】 NTCのデータ分析が各競技のメダル獲得に大きく貢献。

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