オリンピックへの道BACK NUMBER
リオ五輪に間に合うのか?
東京セブンズ全敗の日本ラグビー。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2012/04/12 10:30
昨年11月のオーストラリア大会で勝っているケニアとの再戦で逆転負けを喫した日本代表。5戦全敗の最下位で唯一の勝利なしに終わった。
15人制と7人制のラグビーはまったく別物なのだが……。
また、出場枠がどのように配分されるかは決まっていないが、アジア枠が設けられるとしても、安閑とはしていられない。
というのも、15人制なら日本より下位のポルトガルやケニアといった国に、7人制で敗れたことからわかるように、15人制と7人制は別物と言ってよいからだ。
15人制では、毎回、アジアの予選を突破してワールドカップに出場しているように、中国や韓国などに大きな差をつけている。しかし7人制では、例えば香港とは、日本代表、日本選抜とそのときどきで日本チームの名称は異なるが、昨年は1勝1敗、今年も1勝1敗。中国とは昨年一度だけ対戦し、17-12。15人制のように大きくリードしている立場にはない。
7人制の強化に注力する中韓の後塵を拝する日本の現状。
2009年10月にオリンピックの正式種目に決定したあと、海外の各国では7人制の強化が進んだ。
7人制を専門にプレーする選手も少なくないし、年間を通じて強化スケジュールを組んでいる国も多い。そして中国や韓国もまた、国をあげて強化に乗り出しているという。この両国が集中して強化したときの伸びというのは、これまでのオリンピックでの成績が証明している。
ひるがえって日本の場合は、15人制にどうしても重きを置いているため、7人制の強化がおろそかになりがちだった。日本代表選手を選ぶ場合も、自らのチームの試合への悪影響を懸念する所属先が難色を示し、容易にメンバーを選出できない。当然、満足に合宿スケジュールを組むこともできない。そのような状況にあった。
彼我の強化の差を考えれば、アジアで予選を勝ち抜くのも決して簡単なことではないと、予想される。