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次期監督問題でイタリア迷走。
王座防衛に早くも黄色信号。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byUniphoto Press

posted2010/03/21 08:00

次期監督問題でイタリア迷走。王座防衛に早くも黄色信号。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

リッピの後任候補筆頭は、チェーザレ・プランデッリ。フィオレンティーナを率い、CLでも実績を残した

元代表監督が語る“勝者のコンセプト”とは何か?

「移動や食事、現地でのチーム運用も含め、あらゆる点で最高の準備をすること。協会幹部や選手、監督だけでなく用具係や随行する専属シェフに至るまで、代表に携わる全員が己の職分をまっとうすること。これが、ドイツ大会でわれわれが得た“勝者のコンセプト”だと思っている」

 先日、'90年イタリアW杯で代表監督を務めたアゼーリオ・ビチーニに、じっくり話を聞く機会があった。現在ナショナル・トレーニング・センター総責任者の任にあり、アズーリの生き字引ともいえる存在。今年、イタリア代表は初試合から100周年、700試合を数える。

「クライフのオランダがW杯で優勝したかね? 優れた選手のいるチームがつねに勝つのであれば、ブラジルが全大会を制覇しているはずだ」

 歴史を作ってきたのは勝者であって、強者ではない。ビチーニは、トラブルと緊張の連続だったという自身の代表指導経験を踏まえつつ、苦笑しながら続けた。

「私は今年で77歳になるが、伊サッカー界に“のんびり”とか、“安心”とか、そういった感覚があったことは一度もないな」

「国民には代表を信頼してほしい」とリッピは訴えるが……。

 4年前に世界を制した監督は「われわれは南アフリカで優勝争いをする。6月には準備万端のはずだ。国民には代表を信頼してほしい」と、カメルーン戦後に訴えた。だが、イタリア人なら誰もが、同じ人物が「今季のスクデットはユベントス。チャンピオンズリーグ優勝はレアル・マドリー」と、自信満々に予想していたことを知っている。イタリア人はW杯については、恐ろしく悲観的で懐疑的になるのだ。

 実際のところ、スペイン、ブラジル、その他強豪国との差は大きい。前回王者は、王座防衛のプレッシャーをじわじわと感じ始めた。

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