青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER

成績不振の石川と共に視聴率も急落。
今、ゴルフ界に求められているもの。 

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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photograph byKeisuke Nakanishi/AFLO

posted2011/10/15 08:01

成績不振の石川と共に視聴率も急落。今、ゴルフ界に求められているもの。<Number Web> photograph by Keisuke Nakanishi/AFLO

10月6日から戸塚CCで行われたキヤノンオープン初日。石川は1イーグル、7バーディ、2ボギーの65で周り、今季最高の2位でスタート。翌日のテレビや新聞でも大きく扱われた

外国人が席巻する日本ツアーの現状も閉塞感を助長。

 石川が予選落ちした試合の中には、池田勇太が今季初優勝を飾ったサン・クロレラ・クラシックや、16歳の伊藤誠道が堂々の優勝争いを展開したANAオープンもあった。

 どちらも大会としてのアピールポイントは十分にあったものの、視聴率は石川の予選通過試合の平均を下回る6.9%と6.2%。両選手とも数字の落ち込みを抑える力はあっても数字を押し上げる起爆剤とはなりえなかった。現状では悲しいかな石川以外にゴルフ界のキラーコンテンツはないのである。

 では、他の選手たちには何を期待すればいいのだろうか。

 ANAオープンでカート・バーンズに1打差で敗れた小田孔明はこう言っていた。

「勝ち越されちゃったね。気合が1打足りなかった」

 勝ち越されたのは日本勢と外国勢の今季の勝ち星のことだ。この時点で日本勢が7勝8敗。翌週のパナソニック・オープンを平塚が制して勝率を五分に戻したが、次の週のコカ・コーラ東海クラシックは韓国の裵相文(ベ・サンムン)に優勝をさらわれて再びリードを許した。これだけ日本勢が勝てない展開も近年にはなかったこと。これもツアーの閉塞感を助長している要因である。

石川を中心にした争いこそが日本ツアーの起爆剤だ。

 女子ツアーでは横峯さくら、諸見里しのぶ、有村智恵が三つ巴の女王争いを演じた'09年には二桁視聴率を連発したが、アン・ソンジュに独走を許した昨年は大きく数字を下げた。

 女子も今季はあいかわらず韓国勢の強さが目立つ。'09年は男子を見てから女子に、女子を見ながら男子に、という視聴率の相乗効果もあったのだが、そうした好循環も今はなくなってしまったようだ。

 なでしこジャパンを例に挙げるまでもなく、日本人の活躍を見たいと思うのは日本に住む多くのスポーツファンの自然な欲求であり、自国のツアーとなればなおさらである。無論、母国を離れて奮闘している外国人選手に非はない。問題は小田が口にしたような気概と危機感をみなが共有しているかどうかだ。

 現状では石川を中心に据えて有力選手が絡み合っていく構図がもっとも理想的な展開である。シーズンはもう終盤戦。視聴者を釘付けにし、ツアー全体にうねりを起こすようなつばぜり合いを期待したい。

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