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タジク戦で「持っている」FWに変身!
大量得点で証明された“マイク効果”。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byToshiya Kondo
posted2011/10/12 11:40
君が代を聞いて「鳥肌が立った」というハーフナー・マイク。広島で生まれ、札幌と横浜で育ったマイクは「これまでは、成功というよりも挫折の方が多いくらいだった。ようやくここまで来れた。青い代表のユニホームを着てプレーできることは誇らしいので、これを続けていきたい」と語った
「逆に気を引き締めていかなければまずいかなと思う」
チームとしての集中力、遂行力、そして持続力。
相手の実力不足はあったにせよ、すべてにおいて隙のないゲームであった。しかし、長友は「なかなかこんな試合はないと思うので、逆に気を引き締めていかなければまずいかなと思う」とも言った。確かにセカンドチョイスの3-4-3の成熟度はまだまだであるし、プレッシャーを激しくかけてくる相手にも今後は同じように圧倒していかなければならない。対応力、チーム全体の底上げももっと必要になってくるであろう。喜んでばかりもいられない状況であるのも、また事実だ。
11月のアウェー2連戦でこそ、マイクの真価が問われる。
最後にもう一度、ハーフナー・マイクに戻そう。
次の戦いは11月、タジキスタン、北朝鮮と対戦するアウェー&アウェーとなる。日本のスタジアムのようなピッチ状態で試合をすることはあり得ない。パスはうまく回らないだろうし、フィジカル勝負になってくるはず。そういう意味でも空中戦を仕掛けられるマイクの台頭は、大きな意味を持ってくる。
「こういう働きを続けて、代表に定着できるようになりたい」と、マイクは口もとを引き締める。
マイクの真価が問われるのは、この11月2連戦となる。
彼は代表デビューとなった9月の北朝鮮戦でシュートをバーに当てて「持っていない」と苦笑いを浮かべながら自分をそう表現していた。
だが、先発デビューでの2得点は「持っていない」選手ではできない。「持っている」ストライカーの気配は十分に漂っている。