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ついに開幕!今夏の甲子園はどうなる!? 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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posted2008/08/05 00:00

 今年の甲子園大会はスター不在と言われているが、そんなことはない。一言でいえば「投高打低」。さっそく、好投手を列記してみよう。

 鍵谷陽平(北海)、穂積優輝(仙台育英2年)、安井亮輔(酒田南2年)、北野駿人(日本航空)、只野尚彦(慶応)、斎藤圭祐(千葉経大付)、小熊凌祐(近江)、西勇輝(菰野)、福島由登(大阪桐蔭)、近田玲王(報徳学園)、中田廉、森宗順平(ともに広陵)、今村猛(清峰2年)、赤川克紀(宮崎商)、伊波翔悟(浦添商)

 15人もの“プロ注目選手”が勢揃いすることは当たり前のことではない。これらの投手がどんなピッチングをするのか注目していこうと思う。好投手のいるところに覇権あり、という高校野球で勝ち上がるための鉄則が健在なら、ここに挙げた15校は無視できない存在になるはずだ。

 野手にも触れてみよう。注目選手は次の通りだ。

 長谷川秀輝(青森山田・二塁)、橋本到(仙台育英・外野)、黒羽剛広(聖光学院・外野)、地引雄貴(木更津総合・捕手)、内藤賢志郎(慶応・外野)、筒香嘉智(横浜2年・一塁)、小川健太(横浜・外野)、杉島隆文(市岐阜商2年・外野)、林昂平(金沢2年・一塁)、中村悠平(福井商・捕手)、井上貴晴(報徳学園・外野)、土井翔平(智弁学園・捕手)、岡大海(倉敷商2年・投手&外野)、林誉之(清峰・遊撃)、山城一樹(浦添商・捕手)

 投手と同じ15人になった。投手部門と野手部門で揃って名前が挙がったのは仙台育英、慶応、横浜、報徳学園、清峰、浦添商。当然、この6校は優勝の行方を左右する台風の目になっていくだろう。

 主観で選んだ投打の30人とは別に、各都道府県大会で好成績を挙げたのは次の選手たちだ(既出の30人を除く)。

◇投手

田中 優(木更津総合)4試合に登板して1失点

土屋健二(横浜)5試合に登板して防御率0.49

奥村翔馬(大阪桐蔭)22回投げ被安打9、失点1

鈴木 大(鳥取西)28回3分の1を投げて奪三振45

小池洋史(開星)40回投げて被安打20、奪三振50

◇野手

斎藤樹伸(青森山田・一塁)打率.765

山崎 練(慶応・二塁)打率.500、本塁打3、打点16

稲垣裕也(菰野・遊撃)打率.684

生駒 敬(福知山成美・二塁)打率.722

坂口真規(智弁和歌山・一塁)打率.444、本塁打4、打点12

林 竜希(広陵・二塁)打率.667、打点10

佐藤亮介(開星・外野)打率.600

斎藤一馬(香川西・外野)打率.611

 山崎、坂口を15人の中(野手部門)に入れなかったのは、バッティングに安定して打てる形のよさが見えなかったためだ。

 さて、8つのブロック(ここを勝ち上がると8強に名乗りを挙げる)の中では済美、智弁和歌山、木更津総合が揃った第3ブロック、浦添商、千葉経大付、近大付が揃った第5ブロック、広陵、横浜、仙台育英が揃った第8ブロックで厳しい戦いが展開されそうだ。厳しい戦いを勝ち上がった者にこそ栄冠は輝くはずだ。この9校の動向からも目が離せない。

 総合すると多くの部門で名前が挙がった浦添商、横浜、仙台育英が優勝候補ということになるのだが、野球の神様は気まぐれだから昨年優勝した佐賀北のような伏兵の背をポンと押すこともある。勝敗とは別の面白さを堪能しなさい、ということだろう。ちなみに、僕が最も注目しているのは浦添商である。春に沖縄尚学が優勝しているので、もし浦添商が夏を制覇したら異なる学校による同県勢の春夏連覇ということになり、これは史上初の快挙になる。

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