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「表現力」あるサッカーでJ1昇格を!
ジェフ千葉・ドワイト監督の意識改革。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byAFLO
posted2011/07/02 08:00
選手としてU-21サッカーオランダ代表にも選出されたこともあるジェフ千葉のドワイト監督。PSVアイントフォーヘン、NECナイメヘンなどの監督を経て、今季からジェフ千葉に
「本田圭佑だけは異なる方向に進むことを恐れなかった」
ドワイト監督は2006年から2007年まで、フェルホーセン監督の下、名古屋グランパスでコーチを務めた。その2年間の日本滞在の経験が、千葉でのチームマネージメントに大きく生かされている。
「名古屋でも、選手たちが意見をなかなか言わないという場面が何度もあった。まあ本田圭佑だけは、みんなと異なる方向に進むことを恐れず、まわりと違うところがあったけれど(笑)」
オシム元監督とも異なる、絶妙なバランス感覚の持ち主。
とはいえ、まだJ2の長いシーズンは13試合を消化したのみで、折り返し点も迎えていない。38試合を終えた時点で3位以内に入っていなければ、1年間の努力は無駄に終わってしまう。
「オランダでは内容を重視すれば、必ず結果もついてくると考えられている。それはオランダが関東地方より少し大きいだけの小国ながら、1988年に欧州選手権で優勝し、過去に3度W杯でファイナリストになったことが証明している。J2でも内容にこだわって、昇格という目標を達成したい」
ドワイト監督は戦術的にはオーソドックスで、オシムのように奇抜なところはない。
だが、攻撃と守備、自由と規律、ポゼッションとロングボールなど、すべての点において優れたバランス感覚を持っていることは、監督として大きな武器と言っていいだろう。さらに選手たちの表現力が高まれば、J1への復帰がただのゴールではなくなるはずだ。