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新チーム誕生――シャーロット・ボブキャッツの作り方。 

text by

小尾慶一

小尾慶一Keiichi Obi

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photograph byNBAE/gettyimages/AFLO

posted2004/07/02 00:00

 NBAファンはオフシーズンの間も気が抜けない。契約のシステムが複雑なため、トレードやFAによる移籍が頻繁に行われるからだ。さまざまな噂が飛び交うこの数ヶ月間、ニュースに耳を傾け、ひいきにしているチームのロースターを熱く語るのも、NBAの楽しみ方のひとつなのである。特に、今年は新球団のシャーロット・ボブキャッツがリーグに加わる。チームが形作られる過程を目撃する絶好のチャンスだ。

 チーム作りの手始めとして、6月22日にボブキャッツはエクスパンション・ドラフトを行った。エクスパンション・ドラフトとは、新設チームが既存チームの選手を指名するドラフトのことだ。既存チームは指名されたくない選手(最大8人)をプロテクトすることができるので、ここで大物選手を獲得するのは難しい。今回ボブキャッツが選んだ19人の選手も、やはり知名度の低い選手ばかりだ。中心メンバーになりそうな選手たち――元キングスのジェラルド・ウォーレス(201センチ、98キロ。21歳)、元キャブスのジェイソン・カポノ(203センチ、97キロ。23歳)、元グリズリーズのセロン・スミス(203センチ、102キロ。23歳)――には才能と将来性があるが、即戦力としては期待できない。

 だが、この選択は正解と言えるだろう。どちらにしても、新設チームがすぐに結果を出せるほどNBAは甘くないのだ。95年に誕生したグリズリーズとラプターズ、89年に誕生したウルブズとマジックも、1年目は15勝から22勝の成績しかあげられなかった。本当の勝負は数年後であり、そのためには選手の成長や将来のFAを睨んで動いた方が効果的なのである。そして、将来性という意味ではボブキャッツの未来は明るい。今挙げた過去の新設チームと違って、1年目から(通常のドラフトの)全体2位指名権を得ているからだ。

 2つのドラフトを経て、ボブキャッツは夏のFA戦線に挑む。新設チームは初年度の年俸総額が通常の66%(3000万ドル程度)に抑えられるため、ここでもスター選手の獲得は難しい。だが、若い選手の成長を促すためにも、リーダーシップがあり、汚れ仕事もこなせるベテラン選手がほしいところだ。そのために、ボブキャッツは中心メンバー以外全員を放出する覚悟で交渉に当たるだろう。

 オーナーのロバート・ジョンソンは「山猫(ボブキャット)のように敏捷で、荒々しく、ひたむきなチーム」を目指しているという。その実現がどれくらい先の話になるかは、オフシーズンの闘い方次第である。

もうひとつの扉。

 現地24日に行われたNBAドラフトで、ボブキャッツはエメカ・オカフォーを全体2位で指名した。オカフォーは206センチ・113キロのフォワード/センター。今季はコネチカット大の3年生として、平均17・5点、11・5リバウンド、4・1ブロックの成績をあげ、NCAAトーナメント優勝に貢献した。また、学業面でも優秀な選手として知られ、3年生にして卒業に必要な単位をすべて取得しているという。即戦力のカレッジ界No.1ディフェンダーを獲得したことで、ボブキャッツの勝ち星は当初の予想より増えると見られている。交渉で2位指名権を獲得したフロントの手腕を考えると、7月1日のFA解禁後も明るいニュースがありそうだ。

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