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12球団ドラフト採点 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byRyuichi Kawakubo/AFLO SPORT

posted2004/11/29 00:00

12球団ドラフト採点<Number Web> photograph by Ryuichi Kawakubo/AFLO SPORT

<パ・リーグ>

●西武 (1)涌井秀章(横浜高・投手) (3)片岡易之(東京ガス・二塁手) (4)山岸穣(青山学院大・投手) (5)星秀和(前橋工・捕手) (6)藤原虹気(琴丘高・投手)

※即戦力組は二塁手、先発投手という西武の課題にピッタリ合った2人。高校生は将来のエース候補、涌井を競合なしで獲得。ドラフト前の「江川入札」は他球団への牽制、と語るのは伊東監督。中島裕之、赤田将吾、大島裕行など、高校卒選手の台頭が著しく、高校生を指名するのに躊躇がないのがいい。<80点>

●ダイエー (1)江川智晃(宇治山田商・外野手) (3)高橋徹(横浜創学館高・投手) (4)中西健太(北大津高・捕手) (5)高橋秀聡(九州共立大・投手) (6)加藤領健(青山学院大・捕手) (7)定岡卓摩(福岡工大城東高・一塁手)

※西武同様、川?宗則など高校卒選手の輩出スピードが上がっていることもあり、昨年に続く高校生主体のドラフトになった。江川、中西、定岡という超高校級野手を上中下位で獲得、近い将来の投高打低を修正しようという意欲がうかがえる。加藤は城島健司のメジャー流出を見据えた指名。両高橋のうち秀聡には即戦力の期待がかかる。徹は将来のエース候補だ。<80点>

●日本ハム (1)ダルビッシュ有(東北高・投手) (3)橋本義隆(ホンダ・投手) (4)マイケル中村(前ブルージェイズ・投手) (5)市川卓(菰野高・一塁手) (6)菊地和正(上武大・投手) (7)中村渉(三菱製紙八戸クラブ・投手) (8)鵜久森淳志(済美高・外野手) (9)工藤隆人(JR東日本・外野手)

※高校球界のスーパースター、ダルビッシュを単独指名したところに日本ハムの勢いを感じる。課題の投手陣整備のため橋本、マイケル、菊地、中村の即戦力候補を指名したが、高校生投手を1人加えてほしかった、というのが偽らざる思い。甲子園5本塁打の鵜久森は将来の4番候補。この順位でよく獲れたと思う。<70点>

●ロッテ 自久保康友(松下電器・投手) 自手嶌智(新日本石油・投手) (4)竹原直隆(三菱自動車岡崎・外野手) (5)大松尚逸(東海大・外野手) (6)木興拓哉(北海道栄高・投手) (7)青松敬鎔(上宮太子高・捕手)

※12球団中ナンバーワンの指名をした。自由競争枠の行使は球団初。その顔ぶれも、社会人球界を代表する本格派だから文句なし。4、5巡目の竹原、大松も社会人、大学球界の顔。これほど弱点補強を完璧にやってのけたのはロッテだけ。パ・リーグを牽引していこうという意欲をはっきり感じ取ることができた。<95点>

●オリックス 自金子千尋(トヨタ自動車・投手) (2)光原逸裕(JR東海・投手) (4)町豪将(JR九州・投手) (5)田中彰(法大・三塁手)

※ドラフト前、右ヒジを故障している金子の自由枠獲得を破棄するという球団社長の発言もあり、ケチがついた。この金子をはじめ、光原、町という即戦力候補を上位で指名。5巡目指名は秋の東京六大学で新記録となる7本塁打をかっ飛ばした田中。悪い顔ぶれではないが、将来にまるで目を向けない姿勢に問題がある。<30点>

●楽天 自一場靖弘(明大・投手) (2)渡辺恒樹(NTT東日本・投手) (4)西谷尚徳(明大・二塁手) (5)塩川達也(東北福祉大・遊撃手) (6)大廣翔治(東洋大・三塁手) (7)平石洋介(トヨタ自動車・外野手)

※渡辺は年齢的なものもありプロはないと思っていただけに、2巡目での指名には驚いた。スカウトを持たないでドラフトに参加した首脳陣はどうして、他球団が興味を示さない隠し玉的存在の技巧派左腕を指名したのか、その根拠を知りたい。一場、西谷、塩川、大廣、平石は文句なしのいい選手。しかし、どうして高校生を1人も獲らなかったのか、これも理解できない。高校生指名をしないアスレティックスのビリー・ビーンGMの請売りか。同GMは貧乏球団のアスレティックスだから、育成に手間がかかる高校生を獲らないと言っているのだが。<30点>

<セ・リーグ>

●中日 自樋口龍美(JR九州・投手) (2)中田賢一(北九州市立大・投手) (4)川井進(日本通運・投手) (5)鈴木義広(中部大・投手)  (6)石井裕也(三菱重工横浜クラブ・投手) (7)中村一生(国際武道大・外野手) (8)小山良男(JR東日本・捕手) (9)金剛弘樹(日本通運・投手) (10)鎌田圭司(トヨタ自動車・遊撃手) (11)沢井道久(東海理化・遊撃手) (12)普久原淳一(法大・外野手)

※高校生主体のドラフトが5年続いたので、今年の即戦力志向はバランス的にいっても問題ない。ただ、弱点補強に終始したという印象が強く残った。樋口は文句なしの即戦力。中田は2年目くらいからの飛躍に期待したい準即戦力候補。川井、鈴木、石井、金剛は投手王国の中に入り埋没しないか心配。野手は苦しい。<60点>

●ヤクルト 自田中浩康(早大・二塁手) 自松岡健一(九州東海大・投手) (4)川本良平(亜大・捕手) (5)上原厚治郎(沖縄電力・投手) (6)丸山貴史(愛工大名電高・投手)

※田中、川本は今年になって調子を落としているのが気懸かり。いずれもディフェンスに特徴があり、田中は土橋、川本は古田の後釜候補だ。松岡はMAX148キロが真っ先に紹介されるが、変化球のキレと緩急の使い分けに特徴がある右腕。丸山もコントロールと変化球で活路を開く技巧派だ。上原は体作りが優先。<60点>

●巨人 自野間口貴彦(シダックス・投手) 自三木均(八戸大・投手) (4)亀井義行(中大・外野手) (5)木村正太(一関一高・投手) (6)星孝典(東北学院大・捕手) (7)東野峻(鉾田一高・投手)

※社会人ナンバーワン投手の野間口を獲っただけで成功。もう1人の自由枠獲得選手、三木は先輩の川島(ヤクルト)同様、多彩な変化球でしのぐ技ありのピッチングに特徴があり、やはり即戦力候補。亀井は高齢化しつつある外野の一角を狙える即戦力、というより将来の主軸の期待も担う大物。木村、東野も将来性十分。<90点>

●阪神 自岡崎太一(松下電器・捕手) 自能見篤史(大阪ガス・投手) (4)橋本健太郎(日本新薬・投手) (5)大橋雅法(北陽高・捕手) (6)赤松真人(立命大・外野手) (7)高橋勇丞(済美高・外野手) (8)辻本賢人(マタデーハイスクール・投手) (9)玉置隆(市和歌山商・投手)  (10)水落暢明(信太高・投手)

※岡崎の強肩はプロに入ってもトップランク。矢野、野口の高齢化もあり、レギュラー獲得は目の前まできている。能見、橋本の社会人組では能見が左腕ということもあり使われるはずだが、橋本は球筋が見えやすいピッチングフォームが仇になりそう。大橋、高橋、玉置は将来性に太鼓判が捺せる大物。辻本、水落はスカウトのスタンドプレーと言われても仕方ない。<65点>

●広島 (1)佐藤剛士(秋田商・投手) (3)森跳二(関西外語大・投手) (4)丸木唯(輪島実・投手) (5)小島紳二郎(国士舘大・投手) (6)梅津智弘(国学院大・投手) (7)金城宰之左(中部商・投手) (8)田中敬人(JFE西日本・投手)

※佐藤は一言で言えば未完の大器。150キロを超えるストレートは魅力がある半面、幼稚。このタイプがきっちり育っていないのが現在の広島低迷の一因でもあるのだが。森、丸木、小島、金城、田中も未完成品。この5人のうち1人でもモノになれば広島ファーム指導者は大したものである。<50点>

●横浜 自那須野巧(日大・投手) 自染田賢作(同志社大・投手) (4)藤田一也(近大・遊撃手) (5)岸本秀樹(近大・投手) (6)石川雄洋(横浜高・三塁手) (7)橋本太郎(大体大浪商高・投手) (8)桑原義行(日大・外野手) (9)松家卓弘(東大・投手) (10)斎藤俊雄(三菱自動車岡崎・捕手)

※ロッテ、巨人とともにうまい指名をした。那須野の即戦力度は今指名選手中ナンバーワン。2ケタ勝利は十分期待していい。染田も即戦力候補。セットでの投球は牛島新監督にしっかり教育してもらいたい。岸本、松家は2年目以降の素材。藤田はポスト石井琢朗の期待がかかる守備名人だ。高校生2人は数的に少ないが、質は申し分ない。石川は近い将来、吉村裕基と三塁のポジション争いをするのではと思えるほどの逸材。橋本は将来のエース候補だ。<90点>

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