MLB Column from WestBACK NUMBER

ロッキーズ快進撃を支える俊足コンビ 

text by

菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byYasushi Kikuchi

posted2007/07/11 00:00

ロッキーズ快進撃を支える俊足コンビ<Number Web> photograph by Yasushi Kikuchi

 「やりやすいですね。2番の方が楽に打てていますかね。もちろんウィリーが塁に出れば2番として進塁打を打たなければならない時もありますけど、逆に彼の足を警戒して(投手が)真っ直ぐ系が多くなりますから。後ろにいいバッターがいるので、僕らは何とか塁に出てつないでいきたい。でも自分の持ち味を殺したくないし、小さくまとまりたくはない。2番でもやることは一緒だと思う」

 もちろん彼にとって2番打者とは単に犠打を繰り返す“つなぎ役”ではない。打撃、走塁の両面でタベラス選手同様の積極的な姿勢が目立つ。出場試合数が少ないながら16盗塁を記録。それも盗塁死はわずか1個と確実性の高い走りを見せている。2人の足ならば得点圏内に出塁していれば、単打でもほぼ確実にホームに生還できる。3番を打つマット・ホリデー選手がリーグの打点争いをしているのも、2人の存在が大きな要因になっているのは間違いない。2人がもたらす効果はこれだけに留まらない。守備でも確実にチームを変えているのだ。その辺りをトッド・ヘルトン選手が説明してくれている。

 「今季は守備で大切なセンターラインがすべてだと思う。カズは堅実な守備を続けているし、ウィリーはあらゆるところにカバーに入っている。2人の捕手も堅い守備をしているし、すべてがセンターラインから始まっているといっていい」

 今季のロッキーズは守備成功率、失策数でメジャー1位を走る鉄壁ぶり。ヘルトン選手が解説するように、中堅のタベラス選手と二塁の松井選手が構成する強固なセンターラインが完成している。もちろんここでも2人の足が守備範囲を広げ、他の選手の負担を軽減していることを忘れてはならない。

 俊足コンビ誕生で、チームが大きく変わりつつあるロッキーズ。まだ投手陣に不安材料が残っているのは確かだが、シーズン後半戦の戦いぶりが楽しみでならない。

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