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ドラフト直前!秋の神宮は白熱必至。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2005/11/08 00:00
今週の土曜日(11/12)から秋の全国大会・明治神宮大会が始まる。高校は1、2年生による新チーム、大学生は4年にとっては最後の全国大会となる大舞台である。とくに注目したいのは11月18日に行われる大学生&社会人ドラフトにかかりそうな選手がどんな活躍をするかということ。
福田聡志(投手・希望枠での巨人入団)、松崎伸吾(投手・楽天有力)、根元俊一(二塁手)がいる東北福祉大は1回戦で強豪・創価大と対戦する。創価大もタレント集団で、エース、八木智哉(希望枠での日本ハム入団)をはじめ、高口隆行(遊撃手・日本ハム有力)、梅田浩(捕手&外野手・ソフトバンク有力)など有力選手が顔を並べる。大学選手権は絶不調だった福田にとっては雪辱戦。逆に大学選手権で真価を発揮し、一躍脚光を浴びる存在になった八木にとっては高い評価を定着させる一戦となる。
昨年まで2年連続でこの大会を制している東亜大は、史上初の3連覇をかけた戦いとなる。エースの竹林俊行は「遅い球」と言ったほうが適切なストレートで打者を翻弄する技巧派で、プロ側の評価は50:50。つまり、どう評価していいかわからない、という状態。この大会の活躍次第ではドラフト指名もあるかもしれないので、竹林の渾身の技巧的ピッチングからは目が離せない。
東亜大と東海大の勝者を2回戦で迎え撃つのが東京六大学の覇者、法大だ。東海大同様、今年のドラフトにかかりそうな選手はいないが、大引啓次(遊撃手)という来年の候補選手が控えている。東海大との対戦なら同じ3年生の岩間亮との対戦は非常に興味深い。
大学選手権の王者・青山学院大は、愛知学院大と関西5連盟第2代表の勝者との対戦となる。下級生が主体のチームで、高市俊(投手)、大崎雄太朗(外野手)、円谷英俊(遊撃手)の3年、小林賢司(投手)、小窪哲也(二塁手)の2年がチームの命運を握っている。
「近大の江夏」の異名を取る3年生・大隣憲司を擁する近大には、倉重友二(捕手)、甲藤啓介(投手)という4年生バッテリーがプロからの指名を待つ。甲藤には巨人が熱心だと聞いており、倉重には今のところ明確に指名を明らかにしている球団はないが、肩の強さは社会人まで入れてもトップクラスなので、指名の可能性は十分にある。
高校の部に目を移すと、来年の選抜大会の切符をほぼ手中にしている各地区大会優勝校が参集する。初日第1試合は夏の甲子園大会2連覇を達成した駒大苫小牧高が、やはり夏の甲子園で公立旋風を巻き起こした清峰高と激突する。駒大苫小牧高には150キロ投手、田中将大、清峰高には甲子園でシュアなバッティングで魅了した広滝航(二塁手)がファンの注目を集める。
初日第3試合は早稲田実対岐阜城北高の対決が見ものだ。早稲田実には斉藤佑樹、岐阜城北高には尾藤竜一という本格派が控え、ともに地区大会は投手を含めたディフェンスで勝ち抜いてきた、似た者同士。まだ出場チームが出揃わないが、これらの個性派チームがどんな戦いを繰り広げるか見ていきたい。