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鹿島アントラーズ 「揺るぎなき常勝戦略」 ~J史上初3連覇のフロント力~ 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byToshiya Kondo

posted2010/01/14 10:30

鹿島アントラーズ 「揺るぎなき常勝戦略」 ~J史上初3連覇のフロント力~<Number Web> photograph by Toshiya Kondo
 Jリーグ発足以来、毎年のように優勝争いに絡み、昨季ついに13冠目のタイトルを獲得した。茨城の片田舎にあるクラブが常勝軍団となりえた背景には、“神様”ジーコがもたらしたプロ精神の継承、そしてチームを支えるフロントの驕ることなき緻密な戦略があった。

 2009年、暮れ――。

 イビチャ・オシムはオーストリアに帰るチケットを手に、11カ月ぶりに訪れた日本を離れようとしていた。成田空港のロビーで記者たちに囲まれると、ゆっくりと椅子に腰を下ろしてから語り始めた。老将は話題の中心をJリーグのあるクラブに置いた。

「まさに日本的バルセロナという戦い方だ。チームとしてのまとまり方、積極的なプレー、そして試合を勝利で終わらせるためのあのような知性を、日本代表にも持ってほしい」

 いつもは辛口で知られるオシムには珍しく、礼賛の言葉が並んだ。「カシマ」という単語が弾むように何度も口をついて出た。

 鹿島アントラーズは昨年、Jリーグ史上初の3連覇を成し遂げた。通算7度のリーグ制覇はJクラブのなかで群を抜いている(2位はジュビロ磐田、横浜F・マリノスの3度)。さらに言えば、一度も2ケタの年間順位を記録していないのは、この鹿島だけである。

 鹿島のホームタウン人口は5市合わせて約28万人に過ぎない。浦和レッズの約6割ほどの経営基盤しか持たない茨城県のローカルクラブが、何故これほどまでに安定した力を誇り、成功を収めてきたのか。

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