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斎藤佑樹 急成長の秘密。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

PROFILE

posted2006/09/14 00:07

 それが、夏の大会では4連投(553球)を乗り越えての優勝。下半身主体の投球フォームが、4連投を苦にさせなかったのだ。

 また、下半身主体の投球は斎藤のピッチングにスケールを与えた。夏の甲子園大会2回戦、大阪桐蔭高戦では、「怪物」の異名を取る2年生の中田翔に対し、4打数3三振に打ち取っている。とくに見ごたえがあったのが第1打席。斎藤は146kmの内角胸元へのストレートで中田を三振に斬って捨てる。このコースに腕を思い切り振ってストレートを投げ込むことは、よほどコントロールに自信がないとできない。

 センバツの関西高戦では超高校級スラッガー、上田剛史に右中間へ2ランホームランを打たれているが、コースは外角寄りの真ん中ストレートだった。内角に力強いストレートがこなければ打者は躊躇なく踏み込んで、外寄りのボールをさばく。こういう一面をとっても、斎藤は春から夏にかけて大きな進歩を遂げたことがわかる。

 ストレートはMAX149kmまで上昇し、その快速球を内角にねじ込むことができる精神面の強さと、投球フォームの正確さ、さらにバント処理などで見せる抜群のフィールディング……等々。斎藤を一言で表現しようとすれば、「職人的、超高校級右腕」という言葉がよく似合う。少なくとも、「佑ちゃん」「ハンカチ王子」という愛称は、斎藤の凄みのある本格的ピッチングからは出てこない。

 将来像を占ってみよう。春まではまとまりすぎていることが評価を下げていたが、今はそのまとまりがスケールアップし、逆に斎藤佑樹という投手を大きく見せている。私には桑田真澄(巨人)の姿が斎藤と重なって見えてくるのだが……。果たして皆さんはどうだろうか。

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#早稲田実業高校

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