Jリーグ観察記BACK NUMBER
真夏の過密日程を抱えるJリーグ。
ザック流サッカーで省エネプレーを!
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byMasahiro Ura
posted2011/05/01 08:00
今季のJリーグでは、7月や8月に中2日、3日で試合があることも多い。その過密日程の解消を目的に、田嶋幸三サッカー協会副会長を中心とした日程改革のプロジェクトチームも組織された。
真夏に過密日程を抱えるJリーグにこそザック流は有効。
ザッケローニ監督の座右の銘は「バランス」だ。
日本人選手が必要以上に走りすぎていることを見抜いて、あえてこういう指示をしている可能性はある。もし南米やアフリカの代表を率いたら、「もっと走れ」と要求するかもしれない。
とはいえ、夏場の過酷な条件で試合をするJリーグにとっては、この効率を重んじるスタンスは大いに参考になるだろう。
今季のJリーグは東日本大震災でリーグが中断した影響もあり、7月から8月にかけて過密日程が続く。夏場は基本的にナイター開催になるといっても、気温と湿度はそれほど下がらない。普段はガス欠を恐れずに走ることができるチームも、基本的なコンセプトは頑固に守りながら、夏にはザッケローニ監督のように効率を意識すべきだ。
相手のミスを待ってカウンターを仕掛ける“リアクションのサッカー”で、省エネを実現することもできるが、そういうチームばかりでは試合がつまらなくなってしまう。
今の日本代表のように、運動量に頼りすぎず、体の向きやポジショニングといったディティールにこだわれば、日本の過酷な夏場にも主体的にパスをつなぐ“アクションのサッカー”をできるはずだ。