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スマートフォンがメジャーを変える!?
それでも消えない男同士の絆を見た。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byDiamond Images/Getty Images

posted2011/03/08 10:30

スマートフォンがメジャーを変える!?それでも消えない男同士の絆を見た。<Number Web> photograph by Diamond Images/Getty Images

スマートフォンで無くなる会話もあれば、スマートフォンで始まる会話もある。写真はベンチでスマートフォンの機能を使ってはしゃぐメジャーリーガーたち

 スマートフォンがベースボールのカルチャーを変える。

 それが今回、アリゾナで行われているスプリング・トレーニングを取材しての感想である。それはこんな場面に凝縮される。

 オープン戦が始まってすぐは、メジャークラスの選手は5回終了時点で「御役御免」となる(多くのチームでは、試合に出ない選手でも5回まではダグアウトでゲームを見る。それがルールだ)。

 仕事を終えた選手たちはTシャツにショートパンツという姿で戻ってくるが、まず、自分のロッカーでやることはスマートフォンをチェックすることなのだ。

 ああ、やっぱり。

 日本では特段珍しいことではない。いや、世界中どこだって見慣れた光景だ。でも、メジャーリーグのロッカールームで見ると、「ああ、やっぱりカルチャーが変わったな」と思わざるを得ない。

 昔だったら、まず、チームメイトと軽口を交わしていたところだったのだが……。

スマートフォンを真っ先にチェックする新世代の選手たち。

 スマートフォンはある意味、「自分の城」である。チームメイトとの会話よりも、城がどうなっているのか、把握することが選手、というより人間の性質なのだと思う。

 それでも、選手同士が会話を始めるまでの「間」に、どうにも違和感を感じてしまうのは私が旧世代に属する人間だからだろうか?

 私がメジャーリーグの取材を始めたおよそ10年前は、試合終了後にシャワーを浴び、下半身にバスタオルを巻いた選手たちが何か飲みながら冗談を交わし、ゲームについて話しているのを見たとき、

「ああ、やっぱりこれがメジャーなんだな」

 と感激したものだった。

 しかし、選手が冗談を言い始めるまでの「間」、「ポーズ」に新しい時代のクラブハウスのカルチャーを見る思いがする。

 それは横の連帯よりも、個の充実を優先させる「個人事業主の集合体」としてのカルチャーである。

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