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Jリーガーに必要な“意識改革”とは?
欧州から学ぶ3つの大きなポイント。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byToshiya Kondo

posted2011/02/10 10:30

Jリーガーに必要な“意識改革”とは?欧州から学ぶ3つの大きなポイント。<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

昨シーズンのベストヤングプレーヤー賞を受賞したガンバ大阪の宇佐美貴史(手前)

高度なパスサッカーを目指すために必要な意識とは?

 ドイツ代表のレーブ監督は、1人あたりのプレー時間を縮めることに取り組み、当初は2.8~3.2秒だった時間を、1.6秒まで短縮することに成功した。1タッチ、2タッチのプレーが増え、攻撃のテンポが速くなったのだ。

 Jリーグを見ながら、選手がボールを持ったときに、1、2……と秒数を数えてみてほしい。あくまで個人的な限られた経験だが、3、4秒かかっているシーンが多いように思う。これが2秒経たないうちに少ないタッチ数でパスがまわるようになれば、さらに試合がおもしろくなるはずだ。

助走をつけてペナルティエリアに突入すべし!

『ペナルティエリアに向けてのロングスプリント』も課題にあげられる。

 ゲームアナリストの庄司悟氏は日本代表とブンデスリーガのデータを比較したところ、日本の場合、FWがペナルティエリアに向かって短いスプリントをする傾向があるのに対し、ブンデスリーガでは長いスプリントが多く見られることを発見した。

 助走をつけると、ペナルティエリア内でトップスピードで勝負できるので、相手DFたちにとっては実に厄介な存在になる。スプリントの方向に角度がついているとなおいい。日本人FWたちも、もっと長い助走をつけてペナルティエリアに侵入する意識を持てば、よりダイナミカルで、スピーディーなゴールシーンを増やせるはずだ。

 Jリーグには18歳の宇佐美貴史(ガンバ大阪)や21歳の金崎夢生(名古屋グランパス)といった、ヨーロッパのスカウトたちが目をつけているアタッカーがごろごろいる。彼らタレントたちがヨーロッパに近づくために必要な課題を共有し、新たなスタンダードを示すことができれば、リーグとしてのプレーレベルは劇的に変化するのではないだろうか。

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