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「20歳の張本美和が日本の軸に?」ロサンゼルス五輪の卓球“種目変更”で「打倒・中国」のリアルな可能性は…悩ましい「出場枠」問題
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byJIJI PRESS
posted2025/04/15 17:00

ロサンゼルス五輪の卓球では、新たに「男女ダブルス」「混合団体」が採用されることに
4月8日付の世界ランキングでは、女子ダブルスで大藤沙月・横井咲桜組が1位、佐藤瞳・橋本帆乃香組が2位を占めている。男子ダブルスでも戸上隼輔・篠塚大登組が2位、張本智和・松島輝空組が3位につける。中国勢とは出場している大会の数が異なるなどの事情から、実力がそのまま反映されているわけではないが、それでも日本のレベルの高さを示していると言っていいだろう。
ただ、悩ましいのは、現状ではオリンピックの国別の出場枠は男女各3のままの見通しであることだ。そのため、ダブルスを優先して選考するのも難しい。方向性としてはこれまでのようにシングルスの上位2名を代表に選出し、そこにプラス1名と、これまでと変わらないであろうことを日本卓球協会幹部も示唆している。だから各種目を見渡してプラス1をどう選ぶかがポイントとなり、その中でダブルスも考えられることになる。
新種目となる混合団体は、日本にとってメダルを増やすチャンスとなる。男女双方で強化が進んでいる国は少なく、例えばパリ五輪男子団体で銀メダルのスウェーデン、銅メダルのフランスは、女子のレベルは男子ほどではない。それと比べ、男女双方で一定以上の力を持つ日本にとっては、むろん中国がいるとはいえ、好機となる。
“打倒・中国”のためのカギは
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日本にとってはプラス材料の多い種目変更と言えるが、鍵は先に記したように3枠になるであろうということだ。種目数が増えることにより選手にかかる負担が大きくなる。そして、チームの軸をなす選手には各種目を通じての活躍が求められる。
パリ五輪では、女子は早田ひな、男子は張本智和がその任にあった。早田はシングルスでの負傷の影響もあり、団体での起用方法は当初の予定と異なった面はあったが、早田、張本ともに、シングルス、団体、そして2人で出場した混合ダブルスにフル参戦し、存在感を示した。