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格闘技PRESSBACK NUMBER
「体重33kg減」108→75kgに激ヤセ…医者が怒った「お前、死ぬぞ」血圧240で救急車、死にかけた吉本芸人が柔術に救われた話「衝撃のビフォーアフター」
text by

布施鋼治Koji Fuse
photograph byTadashi Hosoda
posted2025/04/13 11:06

ガリットチュウ福島善成(47歳)。5年前に柔術に出会い、体重33kg減を果たすまでを語った
グラップリングはブラジリアン柔術とほぼ同じルール。柔術着を着ているかどうかの違いしかない。柔術界でグラップリングはNo Gi(=柔術着を着ない)と呼ばれている。福島は初心者でも入りやすい柔術をやってみようと決めた。
「もともと格闘技が好きで、その大会も所英男さんや宇野薫さんの試合を見ることが目的でした。でも、まさかその9カ月後に同じ舞台で自分が桜庭親子(長男・大世は現在RIZINでMMAファイターとして活躍)と闘うことになるとは夢にも思わなかった(笑)」
福島は“世界の山下”こと山下泰裕や“木村の前に木村なく、木村の後に木村なし”といわれた木村政彦ら柔道家・柔術家をあまた輩出している熊本県出身。先人たちの影響を受け、中・高時代は柔道に熱中し、地元・本渡市(現・天草市)の大会では優勝している。
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「ジュニアオリンピックで優勝した頃の内柴正人さん(のちにアテネ、北京の両五輪で金メダルを獲得)と闘い、3分間持ったというのが学生時代の自慢です。組んでいる最中は投げられたくなくて腰をずっと引いていたけど、力が強くて最後の最後に大内刈りで技ありをとられて負けました(笑)」
「イテテッ」初日は全身筋肉痛
柔道のキャリアがあったことで腕に覚えはあったが、寝技が攻防の主体となる柔術とは似て非なる格闘技。しかも、それまでの不摂生がたたって、初日の練習後、福島の体には大きな異変が起きた。
「ホントに運動をやっていなかった僕が前転やエビ(仰向けに寝た状態からマットを蹴って進むムーブ)をやったら全身が筋肉痛になりました。翌日はちょっと動くだけで、イテテッて(苦笑)」
練習初日の体の異変を乗り越えられるかどうか。福島は、その境界線に柔術を続けられるかどうかの壁があると感じている。
「それから休むのではなく、無理やりにでも続けたら、もう無敵。筋肉痛からも解放されますよ」
「“殺し合い”で脳がスッキリ」
練習を重ねるうちに、福島は柔術の沼にハマっていく。何が魅力だったのか。
「マーク・ザッカーバーグやイーロン・マスクも柔術をやっているけど、あの人たちがどっぷりハマったのは柔術には脳のデトックス作用があるからです」