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「新日本プロレス、“急ぎすぎ”では?」後藤洋央紀の“意外な挑戦者指名”に複雑な反応「観客とリズムが合ってない」カギを握る“ふたつのIWGP戦”
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/04/10 17:00

フォール勝ちした海野翔太はリングで大の字の棚橋弘至に感謝する。4月5日、両国国技館
館内にブーイングと「翔太!」と名を呼ぶ現象が同時に起こる中、海野がマイクを手にした。
「今あるオレのすべてをぶつけて、そのベルトを取る」
「ふたつのIWGP戦」どちらがファンの心に刺さるか
セミファイナルではIWGP GLOBAL王者の辻陽太がEVILを倒した。次の挑戦者に指名された上村優也にはファンの期待感があふれていた。
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昨夏の辻戦でケガをしてしまった「モヤモヤ」を吹き飛ばすように2人の再戦が決まった。正式な発表はまだないが、5月の「レスリングどんたく」福岡大会での対戦が濃厚だ。
ふたりの対決も見逃せない。上村が言う。
「去年の8月に辻戦でケガをして、あの日のモヤモヤ、あの日の(悔しい)気持ちを晴らすためにも、オレは今の辻と戦わなければいけないと思ってます。これからの新日本プロレス、そしてプロレス界、明るく照らすのはこのオレ、HEAT STORMだ」
辻が応えた。
「このIWGP GLOBALというタイトルをかけてEVILと戦えて、改めてアンタの凄さがわかったよ。でもな、何度も言うように、ここは新日本プロレスなんだ。これはIWGPをかけた戦いだ。お前は新日本プロレスが世界に誇る最高のレスラーの一人だ。またどこかでベルトをかけて戦おうぜ。その時は、反則も、正統派ファイトも全てコミコミの、最高なEVILでかかってこい。
オイ、そして上村! オレも同じだ。あの日のモヤモヤ、晴らす時が来たようじゃねえか。何度も言うように、このベルトはGLOBAL、世界に向けたベルトかもしれない。そのためには上村優也、お前しかいないんだ。いつになるかわかんねえけど、このリングに希望という光を差して、太陽という明るい光でリングを照らすんだ。ただ、この状況でオレがこのベルトを持っている限りは、この新日本プロレスの新しい時代をさらに大きなものにするために、新しい時代を築くために使っていこうと思ってる」
後藤vs.海野か。辻vs.上村か。国も日時も異なるが、どちらがファンの心に刺さるだろうか。これはふたつのIWGP戦の熾烈な競争だ。
