- #1
- #2
マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
センバツ甲子園で18イニング連続無失点…浦和実業・石戸颯汰の「120キロの速球」はなぜ打たれなかった? プロスカウトが語ったその「意外な秘密」
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byJIJI PRESS
posted2025/03/28 17:04

130キロにも満たない球速ながらセンバツで好投を見せた浦和実業の石戸颯汰。なぜ強打のチームが打ち崩せなかったのか
2/2 ページ目
この記事を1ページ目から読む
自分の現役時代も含めて50年近く高校野球を見ているが、「超」の付く変則フォームの左腕はもちろん、似たようなメカニズムで投げる左腕すら、私の記憶の中では探せなかった。
健大高崎・石垣元気投手が、脇腹を痛めている状態で150キロ中盤をマークした。スピードガンが登場した頃の1980年代はプロでも140キロを超せば大きな見出しになったのに、今はそれでは誰も驚かない「ハイスピード・高校野球」だ。
投手の能力をスピードガンの「数字」だけで評価するような傾向もある今の高校野球だが、逆に、石戸投手のように130キロすらなかなか超えないのに、相手打線をきりきり舞いさせてしまう投手も大きな話題を生む。
ADVERTISEMENT
準決勝こそ連戦の疲れもあってか立ち上がりに智弁和歌山打線に捕まったものの、それでも初出場の甲子園の舞台で衝撃的な活躍を見せてくれた。
なぜ、あの球速で打たれないのか?
ただ、ここにシンプルな疑問が生まれる。それは「なぜ、あの球速で打たれないのか」ということだ。
ふと気になって百戦錬磨のプロスカウトの方に聞きいてみると、こんな答えが返ってきた。
「石戸君みたいな変則タイプのピッチャーって、フォームを見ちゃダメなんですよ――」
<次回へつづく>
