酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「高山俊と陽岱鋼が若手に…」目標は“ドラフト指名”オイシックス新潟のテレビに映らない日常「武田勝監督が気にかける168cm捕手と甲子園右腕」
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2025/03/08 17:02

オイシックス新潟の選手たちはプロの道を開くため、どんな日々を送っているのか
2年目の右腕投手、能登嵩都だ。旭川大学高時代の2019年には夏の甲子園に出場し、桐蔭横浜大を経て昨年入団。183cm85kg。昨年はイースタン・リーグで35試合に投げて5勝4敗、83回、防御率4.88だった。
武田監督は「能登がプロに懸ける意気込みはよくわかります。ポテンシャル、身体能力は持っている投手です。ようやくウイニングショットが整い始めた段階なので、本当に楽しみです」と語る。
筆者は昨年の3月28日、新潟で行われたオイシックス−DeNA戦で能登の投球を見た。この時はダイナミックなフォームながら、投球がばらついている印象だったが、どのように感じていたのだろうか——本人に聞いてみた。
ADVERTISEMENT
「最初の頃は、制球が安定しないで、ボールになって後手に回る試合が多かったのかなと思っています。でも中盤くらいから少しずつ修正できてきて、ゾーンでバッターと勝負することができるようになったのが良かったと思います。
でも前半の成績がひどかったので、昨年はドラフトにかかることはないと思っていました。中盤以降の成績をシーズン最初から残すことができれば、今年は可能性があるのかなと思います」
野間口コーチからは「打たれても…という気持ちで勝負を」
――野間口貴彦コーチからはどんな指導を受けていますか?
「制球に関しては体の使い方などを指導していただいています。打者と対戦するときには、後手に回って、打たれたくないという気持ちになっていたのですが、野間口コーチからは“打たれてもしょうがない、という気持ちで勝負しろ”と指導を受けています」
――ピッチングの特色は?
「球速は一度150km/hが出ましたが、アベレージで148~149km/kくらい。変化球はカーブとチェンジアップ。大きな変化で空振りや打ち損じを取るタイプです」
――2年目の今年は勝負の年だと思いますが。
「とにかく強気で、バッターと勝負をする。打たれた抑えたは別にして、結果は勝負をすればついてくると思うので、自分の持ち味を生かしてシーズンを戦うことができれば、と思います」
眼光の鋭さが印象的だった。今年のドラフトで、2人の名前が呼ばれればいいな——と願いながら、夕暮れの中伊豆を後にした。〈第1回からつづく〉
