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「高山俊と陽岱鋼が若手に…」目標は“ドラフト指名”オイシックス新潟のテレビに映らない日常「武田勝監督が気にかける168cm捕手と甲子園右腕」
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2025/03/08 17:02
オイシックス新潟の選手たちはプロの道を開くため、どんな日々を送っているのか
中澤は小さなことでも積極的に聞き、黒羽根コーチも丁寧に説明する。自分の考えを押し付けるのではなく「俺の場合はこうだった」と中澤に考えさせるような指導もしている。
身長168cmだが…物怖じすることがない捕手
居残りで特打をする選手がいるだけで、人影もまばらになった午後4時、ようやく中澤の練習が終わり、話を聞くことができた。
「キャンプ中はずっとこんな感じです。毎日充実しています。昨年はNPBに本当に行きたいと思って、それなりに頑張ったのですが、今年、オイシックス新潟に入ってみて、全然実力が足りないことがわかったので、これからさらに頑張ろうかなと思っています」
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――大学までとはどこが一番違いましたか?
「投手一人ひとりがレベルが高い上に、いろいろ特長を持っています。だから生き残っているんだと思いました。ここへきて黒羽根コーチにイチから教えていただいています。大学までも守備の要として投手とはコミュニケーションを取ることを意識してやっていたんですが、そこからもう一歩踏み込んだものが必要なのだな、と思いました」
――中澤捕手の「売り」は、何になりますか?
「しっかりコミュニケーションをして投手を活かしてあげるところでしょうか。試合中に投手を助けることを常に考えています。バッティングは、そんなに得意ではなかったのですが、それでも勝負どころでは1本は打ってきたので、そういう部分も売りにしていきたいと思います」
――肩はどうですか?
「プロのトップレベルの人に比べたら、めちゃくちゃ強い方ではないです。送球で150km/hを投げたりはできませんが、肩が強いだけでは走者は刺せないので、盗塁を刺せるスローイングを身につけたいな、と思います」
――1年でプロに行きたいですか?
「行きたいです。そのためにキャッチングなど捕手の技術をしっかりレベルアップさせたいです。打撃では、投手の球速帯は、大学に比べたら、必ず上がってくると思うので、そのまっすぐをしっかりと一発で弾き返せるような打撃を身につけたいです」
168cmと小柄だが、何が何でも、という強い意志を感じる。目標とする捕手はオリオールズのアドリー・ラッチマンだという。武田勝監督は、中澤について「物おじすることなく堂々としているので、多分ピッチャーが投げやすいキャッチャーなんじゃないかな」と語る。
武田勝監督が気にかける“甲子園出場投手”
もう一人、武田勝監督が気にかける選手がいる。


