酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
“2年目ファーム球団”アドバイザーに和田一浩が「トライするしかない」「球団が存続するため…考えていきたい」オイシックス新潟への思い
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2025/03/08 17:01
オイシックス新潟のキャンプを訪れた和田一浩氏。今季からチームのアドバイザーを務める
昨年まで中日のコーチを務めていたが、今季は解説業の傍ら、オイシックス新潟の臨時コーチとコーチングアドバイザーを務める。この日、初めてチームを視察した和田氏は「このチームは2年目なので“何に注目するか”というポイントがまだないんですよ」と切り出しつつも、今後の抱負、期待についてこう語る。
「でも、何もないということは、いろんなことにトライできる。選手の立ち位置もすごく微妙で、NPBのチームと試合をしていても、プロになることを目指す選手もいれば、球団に復帰して一軍の舞台を目指す選手もいる。
球団にしても育成がメインでしょうが、お客さんもいい形で根付いてほしいという目標もある。言ってみれば、このチームは色々な形でトライをしている、するしかないんです。僕自身、いろいろな野球の知識は持っていますけど、教えて終わりというわけではなくて、この球団がどこに向かっていくのかを、一緒に考えたいですね」
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――つまり広い視野で見つめていくと?
「そうですね、もちろんバッティングの技術などは選手が相談に来れば教えますけども、例えばトレーニング、選手の育成をどうするかなど、魅力ある球団になるためのアドバイスができたらいいんじゃないかなと思ってます」
球団が存続するにあたって…考えていきたい
――和田さんは中日コーチになる前には、春季キャンプを本当に丁寧に視察しておられた印象がありますが?
「現場はどうあるべきか、についての理論は僕なりに持っていますけど、今回はそれ以上に、この球団が今後、存続していくにあたって選手をどう育成するのか? 選手がどんな状況で野球をするのか、どうすればお客さんもこのチームをまた見に来たいと思っていただけるのか、などについて一緒に考えていきたいと思っています」
解説者としても視野の広さ、考えの深さを感じさせた和田氏だが、この若いチームにとって、得難いアドバイスをしてくれるのではないか――それは武田監督が目をかける選手たちの言葉を聞いても感じ取れる。〈つづく〉

