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「名古屋の自宅からワシントンに今すぐ来い、と…」ナショナルズ入団の小笠原慎之介「締切まで3時間」電撃決着の舞台裏「実は別の球団が…」
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小西斗真Toma Konishi
photograph byKYODO
posted2025/02/14 17:00

ナショナルズの一員としてメジャーで第一歩を踏み出す小笠原慎之介
サポート体制は「あえて整えず」
購入したシュワバーのユニホームは、大切に自宅に飾られている。ちなみに昨シーズンは本塁打は38に減ったが、三振は微減の197。打率は・248に上がり、106もの四球を選び出塁率は・366まで上昇した。数字を振り返るだけでもワクワクする選手と、今シーズンから同リーグの同地区で対戦する。その瞬間を小笠原は心待ちにしているはずだ。
日本人メジャーリーガーの多くが望むサポート体制も、小笠原は整えなかった。医療スタッフや気心の知れた通訳など、いわゆる「チーム慎之介」はなし。独身。家電製品や調理器具、食材なども特に日本から持ち込む予定はないという。
「こだわりのものとか、これじゃなきゃダメっていうのはないです。何でもいいというか、できちゃう。コメもタイ米でOKですし、通訳も球団が手配してくださる方で大丈夫です」
「ワシントンでも貫く」半袖スタイル
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そんな小笠原が貫く数少ないスタイルが、半袖のアンダーシャツだ。春先のオープン戦でも秋が深まった時期でも、投げる時に長袖は着用しなかった。違和感に耐えられないからだ。
「それはワシントンでも変えません。半袖で投げますよ」
ブザービートで滑り込んだ日本人のサウスポーが、下位低迷するチームにフレッシュな空気を送り込めるか。キャンプ地のフロリダに向けて、13日に出発した表情は、希望に満ちた笑顔だった。
