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「富永も必ずNBAのコートに立てる」河村勇輝はなぜ富永啓生を“ライバル”と呼ばない?「地元の同級生のような…」じっくり語った親友への想い 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2024/12/26 11:20

「富永も必ずNBAのコートに立てる」河村勇輝はなぜ富永啓生を“ライバル”と呼ばない?「地元の同級生のような…」じっくり語った親友への想い<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

先にNBAデビューを果たした河村勇輝と、Gリーグで出場機会を窺う富永啓生。久しぶりの再会で2人は何を語り合ったのか(写真は2023年)

 ツーウェイ契約選手の僕は、NBAにも同行させてもらっていますし、グリズリーズにも良いシューターはいっぱいいます。それでも僕がこれまでバスケットをして来た中で、シュートの才能、シュートタッチの感覚の部分では富永は飛び抜けていると思います。僕もNBAでプレーさせてもらって、その中で彼のシューティングの凄さというのを改めて感じているところがあります。

 以前、渡邊雄太さんも似たようなことを話していたんですよね? 僕もシュート力に関しては、富永はNBAのトップレベルの選手にも引けを取らないレベルにあると思っています。それは彼が親しい友達だから言うわけではないですよ。

 日本代表では富永と一緒にプレーしましたが、彼はいわゆる“引力”があるというか、シュート力でスペースを作れる選手なんです。バスケットボールは一人一人がどれだけスペースを作れるかというのが大事なスポーツ。僕はスピードなどを生かして相手ディフェンダーとの1対1をクリエイトし、そこでチームメイトとのスペースを作っていきます。富永の場合、優れたシューターなので、コートにいるだけで相手のディフェンダーは彼をケアしなければいけません。“引力”のある彼はそういった形で大きなスペースを作ってくれる選手なので、一緒にプレーしていてもすごく楽しいんです。

富永がGリーグで苦しむ理由

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 そんな富永も現在、Gリーグではまだ苦しんでいます。やはり所属するチームへの慣れは必要だと思っています。Gリーグではチームによってプレースタイルはまったく異なります。ボールをよく回して、プレーを作っていくチームもあれば、個人の1on1にフォーカスしていくようなチームもあります。

 富永がプレーしているマッドアンツはビッグマンの(ジャリル・)オカフォーという選手を中心としたバスケットをやっているので、その周囲の選手とチームの戦術がしっかりと合致しないとなかなか簡単には活躍できないのではないかなと感じています。

 一方、僕はPGなので、ボールを手に持てるっていうのが適応という意味では大きかったですね。特に僕がプレーしているハッスルは、みんなでボールをシェアしようとする戦術です。そういった意味では良い環境でバスケットをやらせてもらっていますし、よりスムーズにアジャストできたのかなと思っています。

【次ページ】 久々の再会「地元の同級生に会った感覚」

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