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「“はねトび”の伊藤ちゃんがバレーボール選手と結婚を決めた日」移住して10年…北陽・伊藤さおりが語る、売れっ子芸人からアスリート妻になるまで―2024下半期読まれた記事 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph byTadashi Hosoda

posted2024/12/31 11:01

「“はねトび”の伊藤ちゃんがバレーボール選手と結婚を決めた日」移住して10年…北陽・伊藤さおりが語る、売れっ子芸人からアスリート妻になるまで―2024下半期読まれた記事<Number Web> photograph by Tadashi Hosoda

お笑いコンビ「北陽」の伊藤さおりさん(50歳)。2010年にバレーボール選手の篠田歩と結婚した

 最初はライブに出てもギャラはほぼなく、暮らすのは風呂なしの部屋。当時は女性芸人自体が少なく「人生を見つめ直したい」と24歳で一度休業も経験。だが、その休みが2人にもう一度火をつけるきっかけにもなったと振り返る。

「周りを見ると大学とか、サークルとか華やかな生活をしているのに、私たちは一番いい時期、若い時をひたすらバイトで貧乏暮らし。虻ちゃんと『ここまで来たんだから、何かで絶対に成功しよう!』とギアが入りました」

 すでに25歳を超えていた。「これでダメだったらもう後がない」と意を決し、ネタづくりやオーディションで何とか活路を見出そうと必死だった。

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「虻ちゃんと2人でひたすら練習しました。それこそ1秒だって無駄にしたくないから、『トイレに行きたい』も言い出せないぐらい、張り詰めていました。正真正銘、『ここが勝負だ』と思っていたし、あんなにエネルギーを最大に使ったのは人生で初めてでした」

 そして、大きな転機が訪れる。オーディション、前身番組を経て、2001年から放映された『はねるのトびら』でレギュラーに抜擢されたのだ。

野心あふれる天才集団との日々

 人気番組『めちゃ×2イケてるッ!』の後継番組として注目されていたとあって、鼻息荒く士気を高めていたのは北陽の2人だけではなかった。深夜からスタートした番組をゴールデンタイムに昇格させるべく、キングコングやロバート、インパルス、ドランクドラゴンといった後の人気芸人となるレギュラーメンバーたちと、睡眠時間を削っての打ち合わせや収録が続いた。体力はギリギリで「常に戦い、戦場だった。そんな時代もありましたね」と伊藤さんは振り返る。

「みんな野心ギュウギュウだから熱もすごい。個性もぶつかり合うし、そもそも天才の集まりなわけじゃないですか。今思えば、あれだけ過酷な日々を乗り越えられたのは、虻ちゃんと私が体育会系育ちで根性があったから。ソフトボール魂のおかげだと思いますね」

【次ページ】 はねトびで一番大変だった仕事は?

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