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「“はねトび”の伊藤ちゃんがバレーボール選手と結婚を決めた日」移住して10年…北陽・伊藤さおりが語る、売れっ子芸人からアスリート妻になるまで―2024下半期読まれた記事
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byTadashi Hosoda
posted2024/12/31 11:01
お笑いコンビ「北陽」の伊藤さおりさん(50歳)。2010年にバレーボール選手の篠田歩と結婚した
小学生の頃から運動能力が高く、体力テストの成績は常に優秀でマラソン大会をすればトップ3に必ず入る。体育でなわとびをすれば「誰よりも二重跳びをいっぱい跳ぶ!」。放課後の校庭で一人、ひたすら練習する真面目な努力家であったことも一因だったが、4月9日生まれで幼少期は周りの同級生よりも発育が早かったことが大きかったと今はわかる。「私は運動神経がいい」が思い込みだったことに気づかされたのは、中学で陸上競技部に入ってからだという。
「ハードルを希望したんですけど、どんどん体重も増えて、跳べなくなっちゃって。ほとんど全部倒していく状態になってしまったので、あ、これは違うな、と現実を知りました(笑)」
埼玉県立久喜北陽高校では、ソフトボール部に入部した。そこで出会ったのが、後に校名を由来にしたお笑いコンビ『北陽』で相方となる虻川美穂子さん。学生時代から“虻ちゃん”と呼ぶ相棒とソフトボールに明け暮れた。埼玉県は、埼玉栄高など全国制覇を目標とする強豪校が揃うなどソフトボールが盛んなエリア。青春時代は伊藤さん曰く「いわゆる体育会系」の日々だった。
「北陽」結成、芸人生活がスタート
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とはいえ、卒業後もソフトボールで生きていくほどのレベルではないことも理解していた。
友人同士で将来は「大きな家に住みたい」と冗談交じりで語り合っているうちに、それならば一発勝負を懸けよう、と卒業後に虻川さんと共に劇団に加入。しかし、与えられた役は「屋根」など脇役ばかり。演劇に見切りをつけた伊藤さんと虻川さんは、1995年に人力舎の養成所(スクールJCA4期生)に入り『北陽』を結成。芸人生活をスタートさせた。