Number Web MoreBACK NUMBER
「オオタニは言い訳できない」ロバーツ監督、異例の苦言のウラ側…大谷翔平と監督の信頼関係、ドジャースのエースが明かす「ショウヘイにも公平なんだよ」―2024下半期読まれた記事
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph byKYODO
posted2024/12/19 11:02
リーグ優勝直後、デーブ・ロバーツ監督(52歳)の頭からビールをかける大谷翔平
「驚くほどに、優秀だ。それは間違いないね。感情的になったり、選手に声を荒げたりしたことは一度も見たことがない。メンタル面で非常に安定しているんだよ。何より彼の強みは、選手とのコミュニケーションスタイルにあると思う。ケガしている選手のことも公平に見てくれているのがわかって、それがモチベーションを高めてくれるんだ。他の選手もこう思っているはずだよ。デーブのためにいいプレーをしたい、と」
つまりはフェアなのか? そう尋ねると、グラスノーは大きくうなずく。
「そのとおりだ。本当にそうだね、彼はフェアなんだよ」
ロバーツ監督の苦言を読み解く
ADVERTISEMENT
ドジャースの中継ぎの一人、ライアン・ブレイシア(37歳)もグラスノーの意見に同調する。
「クラブハウスのすべての選手に対して、デーブは同じように接する。ショウヘイに対しても同じだね」
“ショウヘイ”の名前が出たのは、質問した筆者が日本人とわかったうえでの発言かもしれない。いずれにせよ、大谷やムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンら超一流選手がそろうドジャースの特徴に、監督の公平性が挙げられることは間違いない。再びグラスノーの言葉だ。
「(監督が)すべての選手に対して接し方が同じという点は、ショー(大谷)がチームに溶け込むのに貢献したと思う。もちろん、彼の人柄ならどこでもうまくやれるだろうけどね」
事実、ポストシーズン中もロバーツは大谷の走塁について苦言を呈した。メッツとのリーグ優勝決定シリーズ第5戦で、三塁ランナーだった大谷がテオスカー・ヘルナンデスの遊ゴロで本塁に帰ってこなかったプレーについて、「よくわからない。グラウンドの中央にまでボールは飛んでいた」「あの状況ならショーヘイは走らないといけない。でも止まってしまった。言い訳はできない」とテレビ中継で言及したのだ。こうしたロバーツの態度が、じつは大谷を助けていたことがグラスノーの言葉から読み取れる。
<続く>